16.ベムラーゼ首相とデスラー総統のこと

 

仲が悪そうである。

敵対する二大勢力のトップだから当然であるが、それ以前にタイプとしても相性は最悪な感じ。

総統はベムラーゼ首相の容貌も嫌いなんじゃないかと思う(笑)。

総統はいろんな所に美を求めている人だと思うので、ベムラーゼ首相って総統の美の基準スケールからいっても大幅アウトなんじゃないだろうか。

あれでも性格が良いとか何か可愛げがあればまだしも、そういうのも無さそうな感じがする。

ベムラーゼ首相、私にボロカス言われようである。

ガミラス本星で総統にボッシュートされた部下がいたが、あの人に少し似ているかもしれない。

総統、ベムラーゼのことボッシュートしたいと思っているのではなかろうか。

 

しかし、べムラーゼの方だって総統のことは嫌いそう、カッコつけて偉そうで上品ぶって鼻持ちならない奴と思っているんでは。

ちょっと見た目がいいのを自慢げにしてるのが又気に食わない!全くいけ好かない奴!…以上、ベムラーゼ側の感想を想像してみた。

この二人まさに犬猿の仲である。

 

しかし、視聴者側からすると二人ともやってることは大変似ているような…。

二人とも自分が神発言はしてるし、気に食わない星はミサイルで爆破してしまうし、おまけに相手を潰しての銀河の覇権を狙ってるし、どっちもどっちである。

お互いの呼称もデスラー君とベムラーゼ君である。(笑)

そうではないことは分かっているが、もし、この二人が小学校のクラスメートだったら…みたいな妙な想像も頭をよぎる、どーしようもない私である(笑)。

 

しかし、総統は絶対死んでも頭を下げたくないこの嫌な男になんと頼みごとをしたのであった。

それについては側近のタランもたいそう驚いていたから普通では考えられないことだったのであろう。

その用件はファンタム星を移住先にすることになりそうなヤマトに手出しをしないでほしいとの頼みであった。

あの尊大で人に頭を下げて頼みごとなどはまずしないであろう総統が、よりによって借りを作るなど滅相もない宿敵のボラー連邦の首相であるベムラーゼにこちらから折れての頼みごとである。

総統は本気で地球とヤマトと古代のことを友として大切にしてくれているのが視聴者には分かった。

 

おそらくこのことは古代やヤマトの皆は知らないままだと思うが(総統がそんなことアピールするはずもなく)、ヤマトのみんな!なんとかもっと総統の気持ちを素直に受けて優しく接してあげてほしい。

なんだか、時々切なくなる。

あんなに思っているのに、もひとつ勘ぐられて不信がられたりしてかわいそう!

私は贔屓目だからそう思うのかなぁ…、第三者が見れば身から出た錆というか…まあしょうがないよということか…?(苦笑)。

 

総統とベムラーゼの太陽近くでの大将同士の決戦は熾烈を極めた。

対戦前のあのやりとり、総統:「あなたのお葬式は何宗で出せばいいのかね?」べムラーゼ:「それはこちらの台詞だ!」はやはり爆笑ものである。

どうしても何宗という問いには私たち日本人は真言宗とか浄土宗とか仏教系の宗派の名が思い浮かぶのが普通であろう(笑)。

総統、他人の宗派を聞くなら自分の宗派も私たちに教えてほしい。

いや、総統は自称神だからやはりデスラー宗ってことでしょうか。

 

 

17.ルダ王女こと

 

ルダ王女は最初のうちはあまり喋らない。

喋らないので、大人しい人なのかと思っていたらこれがとんでもない。

ルダ王女はヤマトの人々をじっくり観察していたようなのだ。

スターシャもヤマトにコスモクリーナーDを取りに来させて、あなた方を試したと言っていたが、私が見るところ、歳はルダ王女の方が若いがこの人の方がずっと人が悪そうである。

私、なにも分かりませーん!という態度でじっとヤマトの乗員の行動の全てを時間をかけて見定めていたのだ。

そしてやっとお眼鏡にかなうとシャルバート星への訪問を許可したのである。

 

勿論ここでもまだ彼女の見定め試験は終わっていない。

ヤマトは彼女をシャルバートに送り届けることにする。

このヤマトに先導されるようにデスラー総統たちもシャルバートへ、そしてその後ボラー連邦も。

ヤマトが訪れたシャルバート星は牧歌的な暮らしを昔ながらの姿で営む平和で美しい星であった。

そこには銀河最強の軍事国家であったことを思わせる面影は微塵も無く、土門は古代に「この星を占領して移住したら」と発言してしまうほど無防備なのである。

古代はこの発言に俺も思ったと正直に答え、だがそれではガルマンガミラスやボラーと同じになってしまうと土門を諭すのである。

 

ボラー連邦の攻撃の前に無抵抗に殺されていくシャルバートの人々、それを守る為に戦うヤマト、デスラー総統の加勢でボラー連邦を排除して、総統をも今はもう昔のシャルバートではないから放置しても安心とヤマトを通じて納得させた後、やっとルダ王女はヤマトに太陽制御の可能な兵器ハイドロコスモジェン砲を渡してくれるのである。

ヤマトが星を訪問した後の一連の出来事すら、ルダ王女の見定め試験のようにも思える。

もしそうだとしたらルダ王女ってただの小娘ではないなぁ、油断できない人かもと思ったりもする。

 

ルダ王女はヤマトが太陽制御を成功した後、戦闘で亡くなった土門をヤマトの甲板で弔う古代をはじめとする乗員たちの前に姿を現す。

ベムラーゼの要塞に突撃して亡くなった恋人揚羽の魂をシャルバートに連れて帰るらしい。

ここで彼女が古代に語るのはシャルバート教の教えだ。

「戦争は悲しみしか残しません。平和は絶対に戦わぬことを決意し、その決意をたとえ殺されても守り通すことでしか実現しません。自分との戦いは敵と戦うことより難しいのです。」と言う。

 

同じようなことをシャルバート星の長老にあたる人物も古代に言っていた。

古代がそんなことを言っていたら滅びてしまいますよと反論すると、かまわない、第二第三のシャルバートが現れればそれでいいんだと、それがいつか平和をもたらすことにつながるのだと。

なかなか極端な考えである。

しかし、まあそんな人たちがいてもいいだろう。

それが実現されるのかどうかははなはだ疑問ではあるが。

この人たちの言うことは古代君にもいろいろなことを考えさせるきっかけになったんではと思う。

それってどういうことかは次の古代君の分に書く。

 

 

18.古代君シャルバートに衝撃を受ける

 

古代とヤマトの皆は「ヤマトⅢ」で図らずもガルマンガミラスとボラー連邦の星間戦争に巻き込まれる。

太陽の膨張も元はこの星間戦争のとばっちりを受けたことによるものだ。

おまけにデスラー総統の知らぬこととはいえ、がルマンガミラス東部方面軍は地球を総統にプレゼントしようと狙っていたようだし、戦いは地球のすぐそばまで来ていたのだ。

 

古代は一貫して総統に対してガミラス再興もなったのなら軍事力を行使せず平和を目指せと説く。

他星への侵略の手を伸ばし領土を広げるのをやめろと言う。

総統は古代の言葉を聞きながらも自星の平和はもとより周辺の平和を得る為には戦いは必要だし、銀河全域をボラーに統一されるぐらいなら私が統一して平和を築くのだと信念を曲げることはない。

 

総統には帝国のトップという立場もある、新たに建国した臣民を一つにまとめあげてこの後も国を守らねばならない。

古代の立場は総統とは全く違う、古代には古代の立場があり考えもある。

古代と総統は友情で互いを信頼しあいながらも、この件については会話は平行線で決して相入れそうにはない様子であった。

 

しかし、総統は古代の苦言を怒るでもなく、半ば諦めも感じているような雰囲気で聞いていた。

むしろそんなふうに自分に苦言を呈するのが古代らしいと古代のそのままを受け入れようとしているようである。

それに対して、古代の方は折々総統に対して釘を刺すように方向修正を提言していた。

おそらくガルマンガミラス軍のあの強大過ぎる軍事力を目の当たりにすれば、そうそう心穏やかではおられないだろうし、総統の暴走を危惧するのも当然といえば当然かもしれないが。

 

いつもこのように戦うことへの疑問を口にする古代であるが、シャルバートの人々の戦いを放棄して、殺されてもよしとする姿に対峙した時に立場の逆転に少し戸惑っていたように見えた。

シャルバートの人たちは極論ともいえる死んで亡び去っても戦わないとの姿勢を貫くのだが、その姿は古代の戦いは良くない理論は上辺だけのものだったと古代本人に知らしめることになる。

古代はシャバートの教義は理想かもしれないが、実際に行うのは難しいと口にしていた。

当然である。

シャルバートの教義をそのまま地球にあてはめれば、ガミラス侵略時に既に亡んでいただろう…(苦笑)。

古代君、決してこの理想をそのまま受け入れると明言はできないだろう。

古代のあの立場でもだ、まして古代が地球のトップの立場だったらどうだ?

 

古代はきっとこの時初めて戦うこと戦わないこと、平和を求めること平和を得ること、理想と現実、それに関わる矛盾や困難そういったものに新たな視点をもって向き合わなければならなくなったと思う。

古代が総統に戦いは止めろと言うのとシャルバートのルダ王女が古代たちに戦いを放棄して生きろという姿はだぶって見える。

それは正しいようで正しさだけでは現実やっていけないという事実も私たちに思い知らさせる。

だからといって、理想を捨て去り、流されるまま行くわけにもいかないだろうが…。

 

古代は今度、総統に武力についての苦言を投げかける時には以前とは違う気持ちで投げかけるのではないか。

そして総統はその言葉に素直に従うとは思えないが、少しは考えてくれるようにもなるかもしれない。

総統も少しは聞く耳も持ってると思うので。(苦笑)

 

シャルバートの存在って「ヤマトⅢ」にとって重要なモチーフだったと思う。

あの思想をストレートに受け入れてもらおうと作っているとは到底思えない。

むしろ、これってどうよ?と極端な彼らの姿を提示したのではと勘ぐる。

彼らが出たことで、古代が言っている平和を希求の姿が極端から極端の中間にあって、左右に揺れながらそして思考錯誤を繰り返しながら手探りしていくべきものだということが浮かび上がってきたような気がする。

おそらく総統、シャルバート、古代はどこまで行っても完全に分かり合えることはないような気がするが、分かり合えるように少しでも努力することが必要なことだということは伝わってくるのだった。

古代君もっと揺れろ、そんな簡単に正解にたどり着ける問題じゃないからね、いや、正解なんてどこまで行ってもないかもしれないし…(苦笑)。

 

 

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