ヤマト2199の7章あたりからアベルト・デスラー総統が視聴者の理解を遥かに超えた行動をするようになるのだが、この時に我々が感情移入するキャラクターはこの人の他にはあるまい!というのがアベルトのごく側近臣下のタラン(兄)だろう。
ガミラス本星に近づくヤマトをデスラー砲で撃てとの命令を受けたときからタランの返答には?がついていた。
第二バレラスにアベルトが、デウスーラコアシップで乗り込んで来たときも、タランはずっと、総統?どうしたんだ?という顔をしぱなしだった。
「総統、どうか、真意をお聞かせください。」と詰め寄るも、アベルトの返答はとても納得のいくようなものでなく、頭の中はますます、???マークだらけだったと思う。
私たち視聴者の気持ちの代表みたいなタラン。
タランが怪訝な顔でアベルトを見つめるように視聴者も見つめたと思う。
第二バラレス崩壊後、辛くも脱出したデウスーラ号で帰路につくヤマトを待ち伏せるアベルト達、タランはここでも?マーク連発だ。
アベルトは艦内でノンビリと女兵士に酒を注いでもらって飲んでるけど、あなた、自分の置かれてる立場を認識してるのか?
「大ガミラスの栄光がこの宇宙に秩序と救済をもたらす。それができるのはこの私だけだ。」などと言っているが、アベルト、あなた自身、もうどの面下げてガミラスに戻れるのだろうか?
あんなことして(旧バレラスを葬ろうとしたこと)これから、どうする気でいるのか?
空気が読めないどころか、今の状況を全く認識していないのが、見ていて腹が立つというか(笑)、不安にさへなってくる。
タランは、もうずっと不安なまま、仕方なしについて行ってたと思う。
ヤマトが「欲しくなった」と言うデスラーを見るタランは又?マークの顔、タランはもうアベルトとの会話時はずっと汗かいて目を見開いての表情だ(可哀想…)。
脳内メーカーで例えれば、?マークで頭の中全部埋まってると思う。
しかし、ずっとタランが怪訝な顔してたってことは、アベルトは前はあんなではなかったってことだろう。
急にどうしちゃったの、総統?!というのが、彼を困惑の表情にしているはずだ。
アベルト、あの飼っていたイスカンダルの青い鳥を殺してからタガが外れてしまったみたいなのだが、あれが象徴していたのは、なんだったんだろう。
あのスターシャに告白していた頃の美しい理想?汚れていない自分?
タランは、爆風で血の海に倒れてたから、死んじゃったような…、ものすごく気の毒な役回りのタランだった。
ちなみに私、タランの声優さんの声がとても好きなんですけど。
今回、テレビ録画したのを見直してみた。
スターシャに「君の為にやっている」と言うアベルト、雪に向かっても、ただ一人の愛する人の為にやってると言っていた。
君の為にとか、誰々の為にやってる…って、それを口に出しちゃおしまいだろう。
そんな押し付けがましい気持ちでやってちゃだめでしょ。
やるなら自分もそれに同意して自分の意思としてやるべきでしょ。
やるのはあくまで自分でそれをしたいからだろう。
そうでないと、やってやってるのに、どうして見返りがないのか?という卑しい思いが生まれてくる。
アベルト、スターシャに対してもそういう思いが生まれちゃってるよね…。
アベルト自身の望みも宇宙に秩序と救済をもたらしたいことなのか?…おそらく違うだろう。
スターシャの望みを彼女に代わって叶えることで、彼女をその束縛から解放して自分と一緒になって欲しいという目的の為に、手段として侵略による宇宙平定をしているのではないのか。
そんな気持ちでそんなことされたら、周りのものは大迷惑だ。
アベルトのしたいことって何なの?スターシャの愛を得ることだけなの?
私的な望みだけの人物なのか、もっと公的なこと考えてないのか、総統なんだから本当はなんかあるはずだよね、あって欲しい。
このままじゃ、新作続編にもしも出てくるようなことになっても、キャラクターとしても迷走するだけなのでは…、心配だ。
又、アベルトについて辛口なことを書いたが、原則、嫌いな人のことはあまり書かないようにしようと思っている。
アベルトのことを書いているのは、ちょっぴり好きだから…(エーっ、いつの間に?!やっぱり好きになってるんかい!!)結構短期間に心動いているじゃないの(笑)。
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