フィギュアスケーターの浅田真央さんが大好きである。
私はスポーツ競技はほとんど興味の無い人間である。
野球、サッカーをはじめ団体競技はまるでダメだし、個人競技も体操とフィギュアスケート以外はまず興味はない。
浅田さんを見ると、親戚のおばちゃんみたいな身内感覚で応援したくなる。
不出世の選手だと思う。
あの若さで世界にデビューして以来、あれほど安定して一線に居続けた選手は珍しいのではないか。
そして何よりすごいのは、出来が良くないと本人も思った演技の後のインタビューでも、決して言い訳をしない。
私が見た限りでは一度も無かった。
これってできるようでなかなか出来ない。
あんな年若い人がそれをやれているということが私にとっては、もうずっと驚きであった。
前のオリンピックで銀メダルに終わった時、競技直後のインタビューで彼女はこらえ切れずに涙を流した。
「どんな4分間でしたか?」という問いに「長かったというか、あっという間でした」と言って絶句した。
本当に、あの時の彼女の心そのものの言葉であったろう。
私も胸がいっぱいになり、一緒に涙が出た。
あの後、何度かテレビであのインタビューを見ることがあるが、今も見る度に私は泣きそうになるくらいだ。
不謹慎な発言かもしれないが、私は長い浅田真央物語をリアルタイムで見させてもらっているような気持ちになっている。
それは各場面で、驚きと喜び、そして天才にも訪れる苦難の時と葛藤をかいま見せ、私たちに多くの感慨を与える。
いつも前向きな彼女の姿に見ている者は勇気付けられる。
今期限りで競技から離れる宣言をした浅田さん。
長いドラマが終わりを迎えようとしている。
それがどんな結末かは今はまだ分からないが、どんな結末でも私は必ず満足すると思う。
そしてきっとその時、彼女に感謝し、又、泣くだろう。
一つのドラマが終わった後、次のステージでは浅田さん個人の新たな素晴らしいドラマが又始まるのだろう。 戻る
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