「凪のあすから」最終回を観た

 近年希にみる最初から最後まで途中もダレることなく感動させてくれたアニメ作品だったと思う。

最終回も全てが良い方向にきれいに納まった。 

自分の好みに走って、海神様とうろこ様中心の感想を書く。(笑)

私がうろこ様について予想したような一波乱は最終回にはなかった、いや、なくてほんとに良かった!(ホッ)

その代わり海神様のビジュアルが見られた。

ほぼうろこ様と同じであった。

 

着物をきっちりと美しく着ておられ、髪が切り揃えられていた。

小奇麗で高貴な雰囲気が感じられる、大変美しいお方、やはり神様らしいなぁ。

海神様に比べると、うろこ様は見た目が随分ラフな感じだ…。

海神様が純正品だとしたら、うろこ様は互換品みたいか…、先発医薬品とジェネリック医薬品みたいな…?(笑)

内面も海神様はすごく純粋そうな感じがする。

うろこ様はもっと融通も利くし世慣れた感じがする。

 

最終回ではおじょし様との切ない恋の顛末も詳しく描かれていた。

驚いたのは海神様って「とてもいい人」なのだ。(人じゃないけど…・笑)

生贄のおじょし様を大好きになっていた、あの様子じゃぞっこんかもしれない。

うろこ様曰く、ちんちくりんのそばかすのある病弱な決して美人とは言えない女子である。

海神様が面食いでないというのが私的には大変ポイント高い。(多くの女子の心を掴む設定であろう!)

 

そして海で彼女と幸福な暮らしをおくりながら、彼女が陸に残した恋人を時折思い出して悲しんでいることをひどく案じておられた。

彼女のことを思うが故に自分の気持ちを無理に押さえてまでも彼女を陸に戻したのだ。

14歳の登場人物たちの汚れのない恋心とまるで同じ様なんですけど…。

海神様、純情すぎではないか?!

神様だからもっと尊大な方かも?とも思っていたが…、なんてお優しい方であろう。

 

しかし、反面、神様のわりには、おじょし様の本心も全然見えてないし、その後、おじょし様を失ったことで悲しみ苦しみで随分悩まれたようだし…、ほんとに神様か?疑惑も湧くぐらいだ。(苦笑)

いや、きっと恋の当事者は盲目なのであろう。

第三者から見れば当然見えているであろうと思うことも、思い入れが強すぎる場合、見えなくなってしまうのだろう。

相手を思いやりすぎて、的外れのことをし、とんでもない結果を招くこともある。

海神様っておじょし様が今、本当に愛しているのが自分だってことが分からなかったのか…。

神様なのに恋はとんでもなく初心者、まるで光たちと同じ少年のようなぎこちなさ、純粋さである。

愛すれば愛するほど自分を捨ててでも相手の幸せを願おうとする海神様の想い、それは美海や光、まなかや要、ちさきや紡やさゆや…、皆の中にある真の愛の姿と同じだった。

 

もうちょっとツッコミを入れると、海に溶けているいろんな思念を、まなかも捕らわれの身になった美海も読みとっていた。

おじょし様の本当の気持ち、海神様を愛おしく思っていた気持ちを。

海神様は自身も思念になって海に溶けていても、ずっとそれにも気が付いていなかったのか?

それは悲しみや苦悩に邪魔されていて、見つけられなかったのだろうか?

まなかや美海や光たちの想いを触媒にして形を見せたおじょし様の真の想いに今やっと出会えたということか?

 

うろこ様も今までそのことが分からなかったようである。

ただの鱗だからか?何でもかんでもこれをいいわけにしてないか、うろこ様よ!?(笑)

おまけに今頃、おじょし様の気持ちを知った海神様を「神がきいて呆れる」なんて言ってたけど、海神様に後で叱られるかもよ…(笑)、まあ、あれは自嘲ということかな?

 

海神様はおじょし様の愛が自分に向けられていたことを知った。

だからもうおじょし様の人形はいらないのだろう。

海神様は互いに深く愛し愛し合っていたおじょし様の心と再び一緒になれたのだから。

 

私がうろこ様から感じた悲しさや無力感や孤独も、おじょし様への想い故だったようだ。

肩甲骨の一枚の鱗にも、海神様のおじょし様大好きの気持ちはちゃんとしっかり受け継がれていたのだ。(もう、海神様って、どんだけ好きなの!?・笑)

海神様とは別の人格を持った今でも、うろこ様もずっとおじょし様を愛していたということだった。

愛しながら何も出来ない自分を、自嘲しての「ただの鱗じゃ」という言葉だったのかもしれない。

うろこ様も、おじょし様の気持ちを受け取ったようなので良かった。

 

うろこ様は傍観者的な役割のキャラだったのだろう。

うろこ様ファンの私的にはもうちょっと見せ場も欲しかった気もしたが、あくせくせずにまったりしたところが、うろこ様らしいと言えばそうなので…、あれでまあいいか!(笑)

それに何より、うろこ様の身の上に何も不幸なことが起こらず、ご無事であらせられるのが喜ばしい。

新しい社も汐鹿生に建ててもらってるみたいなので、全くもって良かった良かったであろう。

 

勿論、少年少女カップルたちは皆、納まるところに納まり、一人あぶれた形の美海も、初恋の失恋を越えて立派に成長していた。

あの以前告白してきた男子にも希望があるかもしれないよ、頑張れ!

 

この展開、予定調和といえばそうなのだろうが、これ以上ないような爽やかさと、清々しさ、感動を与えてくれた。

私はこの作品には満点に近い点数をつけてもいいかと思っている。

きっと何度見ても胸がキュンとなって又泣くと思うよ。(いい歳して泣きすぎかも…笑)               戻る