今期春アニメの一押しはやはり「シドニアの騎士」である。
この前ゴールデンウィークに家に帰って来たウチの女子大生も同意見であった。
内容を語る前にあのオープニングの歌のことを少し書く。
あの歌いだし冒頭少しして出てくるサビのような部分(あれはサビか?後に出てくる別の部分がサビ?)がどうしても聞き取れない(笑)。
私は何度聞いてもサビ(?)第一フレーズが「タチクメ」のように聞こえる。
そして次のフレーズはこの「タチクメ」に心惑わされ聞き取り不能!、続きは「生きる為」「解き放て」と聞き取れたのだが…。
聞き取れなかった前のフレーズは正しくは「打ち砕け」「時満ちて」なのだとネット検索して知った。
ほんとに歌ってる?(笑)
「打ち砕け」だと認識した上で聞くと、ほぉ、確かにそうかも…と思えるから私の耳はいい加減だ。
聞き取れない時、聞き取れない故、むしろ強く印象に残り、分かんないけど、分かんないのが、呪文みたいでカッコいいやなどと思っていたのだった。(幸せな奴・笑)
歌詞って、分かった方が勿論いいが、分らなくてもそれなりに楽しめるものであると思う。
昔も洋楽で「ジンギスカン」(私はドイツ語が分らないので…)とか「マイアヒ」(ルーマニア語らしい)とか全然訳分からなくても楽しめたし(笑)。
分からなくても、なんか、いいわと思う時、むしろ音楽、歌のスゴさを改めて感じるのであった。(直感に訴えられてる感じがあるというか…)
さて、「シドニアの騎士」、6話まで観たのだが、私は第2話で山野栄子という女の子のパイロットが戦死した時点で結構びっくりした。
この作品、最初からフルモードで来たか!という感じ。
彼女の戦死描写で敵側、奇居子(ガウナ)がとんでもない相手だということをはっきりと視聴者に認識させた。
プロローグにして既に緊迫感急上昇だった。
続く3、4話でシドニアの期待の星「赤井班」の4名を惜しげもなく全滅(全員死亡)させたのもびっくりした。
普通は一人か二人は生き残らせたりするような…。
展開に関して出し惜しみがないなぁ…というのが私の感想である。
登場人物たちの顔つきが薄いせいもあるのか、この悲惨な展開なのに割と淡々とした雰囲気が漂っている。
あっけなく生命が失われていき、それを人々はあきらめ半分で受け止めているようなのだ。
この雰囲気がシドニアの置かれている今の状況を語っているのだろう。
ちゃんと作品の世界観、舞台状況の設定が視聴者に伝わる演出がなされているように思う。
そしてもう一つ特筆すべきは、戦闘場面が大変緊迫感に溢れ、迫力満点なのだ。
戦闘場面に毎回引き込まれている私だ。
劇的な出来事が次から次ぎへと起こりながら、皆が感傷に流されず、出来事を冷静に受け入れているのがカッコよくて、それでいてそんなふうな年若い人たちの在り方が、見ているとちょっと切ない。
といって、別にシリアス一辺倒ではなくて、ほのぼの青春もの(?)のようなテイストもちょっとあったりもする。
おまけに戦闘服に導尿カテーテルがついていてその装着場面があったり、宇宙に漂流してしまった際に星白(女子)の尿を濾過したものを主人公、谷風長道が飲んだりと、あからさまではないがドキリとするエロティックな場面もある。
(いや、よーく考えると結構変態入ったようなエッチさかも…・笑)。
6話最後では長道と淡い恋が芽生えていた星白が死んだようだった。
ほんとに惜しげもなく登場人物を殺していくなぁ…と思うが、こんな短い間にたいそう早い展開で、これはこれでグイグイ引っ張られるのである。
私とウチの女子大生が主人公の長道について、声を揃えてツッコミを入れたことは、カビザシという槍状の武器を宇宙に回収に出た長道が敵ガウナと遭遇した際に、艦長の補佐役の勢威からの指示命令を全く聞いていなかったことについてだ。
今までのアニメでも、こういった指示命令に反した行動をとってしまう主人公はいっぱいいたように思うが、皆、言い訳しながらとか、葛藤しながらとかの末に自分の考えに従って命令違反をしていたように思う。
でも長道は違う。
長道は勢威の言うことを全然聞いていない様子だった。
聞こえないのか?と思うぐらい完全無視というか…(笑)。
悪気がないし、むしろ自然体で無視して、自分の思うとおりにしか行動しないという…、あれでは勢威の面目とか丸つぶれであろう。
あの後も結果オーライみたいな様子だったけど…、どうよ?(苦笑)
超マイペースな癒し系(?)暴走主人公長道なのであった。
私はウィキペディアでマンガ版の展開をちょっと読んだのだが、今後も実に盛りだくさんの内容のようである。
これ、アニメでどこまで放映してくれるのだろうか?
面白いので期を空けてでも、ずっとアニメ化して欲しいなぁと思うのであった。
ついでに「selector(セレクター) infected WIXOSS」のことを少し書くと、こちらはもう黒い展開が毎回繰り広げられている。
おそらくこんな予感はなんとなくしていた。
でも予想以上に滅入る(苦笑)。
周りの女子たちの望みがどんどん破れていく、望みを賭けた戦いに負けた代償は望みが叶えられないだけではなく、望みと反対の方向に大きく振れてしまうらしい。
希望を打ち砕かれたあげく立ち上がれないくらいの絶望のどん底に突き落とされるということだ。
入り口はカードゲームという軽い遊びの様相で始めた結果のこの顛末である。
これはもうホラーの筋運びだ。
ゲームに勝利し続けても(3回勝利でOK?)望みがストレートに叶う保証ってあるのだろうか?
未だそんな人物は登場していないが、望みが叶う方も、何か歪んだ形で叶うとかいう落とし穴はないのだろうか…。
例えばW・W・ジェイコブズの願い事に纏わる名作ホラー小説「猿の手」の願いの叶い方のように「お金が欲しいと願ったら、息子が事故死してその代償にお金が入った」というふうなとんでもない叶い方とかではないのだろうか?
あのゲームについてまだまだ隠されていることがあるようなので油断ならない気がするのは私だけではないだろう…(苦笑)。
毎回不安要素がどんどん出てくるので、観ていてちょっとヘコみ気味な私だが、ここまで観て途中で中止とはいかないので、そりゃ勿論観続けるけど…、暗くて重い、そして怖いよ~(苦笑)。
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