このドラマ、私の住む地域では放送局の関係で通常の放送より3週遅れであった為、10月11日(土)が最終回であった。
これが放送されていた期に私が観ていたドラマは「ペテロの葬列」とこの「アオイホノオ」の二つだった。
「ペテロ…」についてもブログで書いたのだから、「ペテロ…」よりも入れ込んで観ていたこちらについてもやはり一言書きたいものである…(笑)。
このドラマについては手放しに楽しんで観ていた。
毎回笑いながら、そして世代的に主人公と被っている分、自分にとっても80年代という「あの頃」を思い出し、少し身につまされながら観ていた。
アニメ、漫画好きの人なら、今をときめくアニメ製作会社のお歴々や第一線で活躍する漫画家さんの若き日を題材にしていることだけでも興味津々に観ただろう。
私もその口であるが、そんなことにはあまり興味のない人が観たらどうなのだろうか?というのも気にかかる(笑)。
実は我が家では夫もウチの女子大生も一緒にこのドラマを観ていた。
夫は私のようなアニメオタク崩れではない一般の人である(なんだ…この言い方…・笑)。
その夫にも大変ウケていたように思う。
そして80年代を生きた世代ではない20歳のウチの女子大生にだって(但し彼女はオタクだが・笑)異常な程大ウケしていた。
我が家に限っては世代、趣味嗜好の偏りを超越して「ウケていた」作品だったといってよいだろう。
80年代懐かし組へのアピールや、オタク嗜好くすぐり要素を差し引いても十分に作品としての魅力があったということだと思う。
登場人物たちは皆揃って超個性的で一癖も二癖もあるとんでもない人物に描かれている。
そのキャラクターを俳優さんたちが、力いっぱい熱演してくれていた。
あのような強烈な個性の各人をよくぞ視聴者に納得させるように演じてくれたものだ。
配役の妙もあるのだろうか…、演出の巧みさも相まってのことであろうか…、思えば思うほど感心する。
作品に漂うあか抜けないどこかチープな感じのする80年代のあの頃の関西の雰囲気もよく出ていたと思う。
毎回、実に楽しく観ていたのだが、それはきっと、制作側が真面目に真剣にドラマを作っていて、役者さんたちも思いっ切りのいい演技をしてくれていたからだろう。
私は笑いながらも、同時に主人公を含め登場する人々の情熱あふれる青春の日々にずっと感動させられていたのだ。
そしてやはり「アオイホノオ」の素晴らしさを語る時に、最大の功労者として揚げねばならないのは主演の柳楽優弥君のことだ。
私は恥ずかしながら彼の演技を今まで一度も観たことがなかった。
あのカンヌの主演男優賞の演技すら…(恥)。
そんな私が言うのもおこがましいが、この作品を観て実感したのが「柳楽君って凄い俳優だ!!」ということだ。
柳楽君の存在感は半端ではなかった。
おそらく彼が主役の焔モユル役でなければ作品のパワーは格段落ちていたのではないか?
まず特筆すべきは日本人と思えぬほど顔が濃い!
最近薄味顔が流行気味になっているような日本の芸能界にあって、彼の濃さは強烈に印象的だ。
顔だけでもインパクトは強い!
そして顔が濃いだけでなく演技だって超熱演でもの凄く濃い。
しかし、やり過ぎな程に超熱演なのに浮いてはいない気がする(そうだとしたら、なんて素晴らしい!)。
きっと濃い顔に濃い演技はしっくりくるということだろうか…?
本当は濃くてカッコいい美形な顔立ちなのに、洗練とは程遠く、どこかギャグテイストの散りばめられたあの役をこれ以上ないほど的確に演じていた。
いや、むしろ反対にカッコいい顔なのに突拍子も無い役を超真剣に演じてくれたからこそ、あの主人公の行動は観ていてあんなにも面白かったのだろう。
柳楽君が演じたあの主人公の存在感の大きさだけでも観る価値は十分だった。
全11回の放送の間、私はモユル君と共に80年代に戻って青春ならではの若さの熱さと素晴らしさとほろ苦さとを追体験させてもらった。
最終回の次の週、もう「アオイホノオ」は観られないんだなぁ…と思うと非常に寂しく感じた。
私にとってこんなにも「もっと観たかったなぁ!!」と思えた作品はそうそうない。
先日「アオイホノオ」がギャラクシー賞(9月の月間賞)を取ったというニュースを見たが、やはり世の多くの人も面白いと思っていたのだなぁ…。
おめでとう「アオイホノオ」!
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