台風21号の停電で電気のありがたさが身にしみたこと

9月4日台風21号が私の住む和歌山市のすぐそばを通っていった。

その10日前にやってきた20号もほぼ同じコースだった。

20号の時も進行方向の右側に入ったので風がたいそう強かったのだが、21号はそれを超える強風とともに走り去ったのだった。

市内で最大瞬間風速57.4メートルが観測された同時刻(13時20分頃)に停電した。

この時点ではどのくらいの範囲で何戸ぐらいが停電しているのかはっきり分からなかったのだが、ラジオ放送を聞くにつれて県内での被害の大きさが徐々に分かってきたのだった。

後にこの台風のせいで近畿一円で224万戸ほどが停電したことを知った。(和歌山県では32万戸ほど)

和歌山にこんな大規模な停電をもたらした台風は私もあまり記憶にない。

 

台風本体は通り過ぎたものの、いっこうに電気はつかない。

広範囲に停電しているのだから、すぐに停電解消というわけにはいかないだろうと思いながらも一刻も早い復旧を切に願っていた。

昼間も台風のせいで家の中は薄暗いし、夕方になるにつれてどんどん暗くなっていく。

懐中電灯をいくつか点けてみたものの、常の照明のような明るさは望むべくもない。

いつになったら電気が復活するのだろうと心配ばかりが募り、暗いことがその気持ちにますます拍車をかけるのだった。

主婦である私は冷蔵庫のことも心配で仕方なかった。

とにかく絶対に扉を開けてはダメ、ある程度ならクーラーボックス状態で中の冷気は持つはずだと信じていたが(希望的観測である…)それにも限度があるだろう。

 以前、突然冷蔵庫が壊れた時の経験から12時間位がリミットじゃないかとぼんやり思っていた。

 

早めの夕食を済ました後、暗くて何もできないので、起きていても仕方がない、いっそ早く寝てしまおうと布団に横たわり懐中電灯を消してびっくりした。

ええっ!!夜って本当はこんなに真っ暗だったんだ!

全く何も見えない、かすかなシルエットも。

目が闇に慣れることもなさそうに真っ暗。

黒、真黒、墨汁のような黒というか。

やや閉所恐怖症気味の私はこんな真っ暗の中では怖くてパニックになりそうで、慌てて一つだけ懐中電を点けた。

不安もあってかなかなか寝付けない中、いろいろなことが頭の中を駆け巡るのだった。

 

電気がないと、夜長を読書で楽しむこともできないし、テレビに興じたり、ネットを楽しむのも勿論ありえない、食事だって冷蔵庫なしではごく限られたものになるだろう。

私の身の回りの役立つ道具たちってほとんど電気がらみだ…。

我が家は大丈夫だったが、停電の影響で水道も使えない所もあるし…。

長引く停電の中、今まで電気の恩恵の下で文化的な生活が営めていたのだとあらためて思い知った。

日ごろの電気に対する感謝の無さを猛烈に反省したのだった。

同時にその他のライフラインについても感謝していなかったことも反省した。

 

いつの間にか寝入っていた私が、停電が解消されているのに気が付いたのが夜中3時頃、主人曰く、「2時半位には通電した」とのことだった。

台風が去った後にも雨や吹き返しの風が残る中(一時は雷もあった)、全力で復旧にたずさわってくれている電力会社の人たちのおかげである。

本当に感謝しても感謝しきれないと思った。

 

私の家は13時間ほど停電していたことになるが、復旧は順番に作業がされているので、もっと停電が続いていた地区も多かった。

私は運の良い地区だったと思う。

県内山間部の方では一週間以上たっても停電のまま地区もまだあるのだった。

その地区の方々、どんなにご不自由な暮らしをされているのか、心が痛みます。

 

ちなみに、我が家の冷蔵庫の中身ははなんとか無事だったかもしれません。

食してみて、不具合が出たこともないようなので、まあ大丈夫だったかと…。

 

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