44.ズォーダー大帝のこと
大帝は5世であることから世襲であろう。
彗星帝国が旅をしているのは先祖の意志で過去から未来へ続くガトランティスの心だと言っていた。
なんだそれ?って思うのだが、家訓が侵略と略奪だということか?不毛な感じである。
大帝はこの宇宙全てが自分の為にあると豪語する尊大この上ない人なのだ。
大帝って№2の地位に自分の寵姫と思われるサーベラをつけている。
(寵姫って私はもう勝手に思い込んでいるのだが…、なんだかそういった雰囲気が漂っているように見えるのだもの)
もう一人いる重臣もサーベラとは仲は悪いらしいが、ゲーニッツという大帝の顔色ばかり伺うような人物だ。
こんな人たちを側近としていて大丈夫なのか?と思うのだが、彗星帝国って強大な武力があるので、今まで全然支障なくきたみたいなのだ。
いや、もしかしたら大帝のワンマンな指導力があるから周りはどんなでもいいのだろうか。
それに大帝は世襲なので大様なのかもしれない。
けれど凡庸な人ではなさそう。
デスラー総統のことも知っていたし、テレサの情報も誰よりも知っていたようだから、情報収集にも長けている一角の人物ではあるといえよう。
でも大帝のテレサに対する認識ってどうなの?
サーベラたちが、テレサなんか全然怖くないからぶっ潰しちゃえ!、というとテレサを見くびるな!と戒めていたが、又、ある場面ではテレサなんかさほど気にしてないもーん、という風なのだ。
総統はサーベラに「大帝はテレサの存在など意に介していない」と言っていたし…。
大帝にも本音と建前があるから、一概にはいえないけど、大帝どう思ってたのか、ほんとのところ?
ラスト、テレサが大帝の巨大戦艦に向かってくると半端なく怯えてたから、やはり恐れてたの方が本心かな。
大帝って、地球防衛軍のことについて、力に頼る者は力によって滅びる、と言っていたが、それって自分に返ってくる言葉だよね。
強大な力で、地球に対して容赦ない攻撃を加える大帝、死んだと思っていたテレサの捨て身の攻撃に対して酷く狼狽して最期を迎える大帝。
それまでの大物らしさはどこにもなく正反対のものすごくカッコ悪い姿をさらす。
「ヤマト」ってちゃんと悪役に対しては惨めな死を用意している。
子供も見る番組ってカッコ良く死なせちゃだめなのよ。
ある意味これは制作側の良心だと私はいつも思うのだった。
45.ズォーダー大帝とデスラー総統のこと
大帝の肌の色は薄緑色、眉と頭髪とが繋がっている。(どんだけ毛深いんだ!)
髪もフサフサやや長髪である。
私は大帝を見るとなんとなく前にテレビで見た「わさお」という犬のことを思い出す。
(「わさお」は一時話題になってたブサかわ犬です・笑)
体格も良く、身長は総統と同じ位だが総統よりもっとがっしりした感じの身体つきである。
顔を見ると総統よりはやや年長ではと思う。
大帝と比べてみると総統って私が思っているより若いのか?
私は前に30~50位の年齢に見えると書いたが、大帝を見ているとよくいってて30代だよねと思うようになった。
それに「ヤマト2」での絵は時々、えっ若い!!というようなものもある。
なんだかすごく美形に見えるカットもある。(キャー、素敵!私の心の声である)
大帝といえばはずせないのはあの大笑いのことであろう。
大帝は豪快に笑う。
特にラストに向かって話が佳境に入る辺りから、それはもう大笑いの連続なのである。
総統だってたまに大笑いもするが、そんなの大帝の大笑いに比べたら、全然影薄いぞ!
アニメキャラ大笑い選手権があったら必ず上位入賞は間違いないと思う。
あんな大笑いするだけあって、大帝ってあまり裏がなさそうな人。
だから総統のこと気に入っていたのも本心から気に入っていたんだと思う。
総統の方も命を助けてもらった恩義があるから、彗星帝国の側近たちから嘲りを受けているのに我慢している様子だった。
まあ、皮肉言ったりぐらいの、ちょっとした仕返しはしているようだが、基本忍従姿勢だった。
総統が我慢なんて普通は考えられないはなしだ。
それもひとえに大帝の立場を考慮してのことだと思われる。
一作目からすると、そういうところも随分変わられたような…、総統、「艱難 汝を玉にす」ということでしょうか。
総統、大帝に対しても心から敬意を払っていたようだった。
つまり二人は両想いってことか(笑)。
な、な、なんだこの結論!?
46.ズォーダー大帝の謎のことわざのようなもの
ゲーニッツら側近がデスラー総統のことをとやかく大帝に言いつけている時に大帝が言った言葉「デスラーのことはデスラーに任せておけ」のことである。
「デスラーのすることにお前たちが口を挟むな。デスラーに思うようにさせてやれ。」という意味だと思う。
でも、なんだかちょっと言い回しがひっかかるというか、気になる。
ことわざみたいな響きの言葉になっている(笑)。
意味的、響的に似ているのは「船は船頭に任せよ」「山の事は樵に聞け」「餅は餅や」などであろうか。
ちょっとニュアンス違うかな?(笑)
ことわざ事典に新しいことわざとして「デスラーのことはデスラーに任せておけ」というのも入れてもらいたいなぁ。
47.古代のこと
「ヤマト2」にはもう沖田艦長はいない。
再び地球を旅立つヤマトには古代が艦長代理として乗っている。
「ヤマト2」を観ていると沖田がどんなに偉大な艦長だったかが改めて分かった。
厳しいことを書くと、古代君では頼りない。
まあ、あんなに若いんだから当たり前だ。
最初から完璧にこなせたらそちらの方が余程おかしいのだが。
ヤマト内に空間騎兵隊が途中から乗り込んできたりするので秩序は乱れ気味だ。
それになにやら乗員の気持ちも弛んでいるような雰囲気もある。
私がこのヤマトに乗ってたらちょっと不安を感じてたかも。
ヤマト内の様子も戦いが進むに連れて古代が艦長代理として頑張り始めるので、徐々に落ち着き結束のあるものになっていく。
まあそれはそれでいいのだが、反面、古代が艦長らしくなると古代のキャラとしての魅力が損なわれていくような気がするのだ。
古代にはもっとはじけてもらいたい気もしてくる…、いや、艦長がそんなことしちゃダメだし…、なにやらジレンマである。
だが私はやはり上に誰か艦長がいて、古代にはその下でのびのび言いたいこと、したいことをしてもらった方が面白かったんじゃないかと思うのであった。
妙な中途半端さが気になり続けるというかなんというか…ずっと落ち着かない感じがした。
これって「さらば…」で土方に艦長席に座ってもらったことを覚えているのでそんなふうに思うのかもしれないが。
そんなこと言ってたら、古代君はずっと艦長にはなれないじゃないか!との声も聞こえてきそうですが…(汗)。
古代ってもしかしたら、平和な時代には合わない人なのではと思う。
地球が次から次へと宇宙人に狙われているのでまだいいが(良くない!笑)、長い平和が訪れると古代は抜け殻のようになるタイプかもという気がした。
きっと乱世が性に合ってる人。
総統が古代をお気に入りなのは自分と同じように根っからの好戦的なものを古代に感じているからかもしれない。
古代本人は戦いは良くないとか力説したりもするが、自覚してないけど相当好戦的なんじゃないかな。
やはり野に置けレンゲ草ではないが、やはり戦場におけ古代君というところであろうか。
雪ちゃんは平和になったら苦労するかも。
観てないけれど復活編で苦労してた?
48.デスラー総統はヤマトをどう思っているのか
「ヤマト2」での総統はとにかくヤマトのことばかり考えている。
蘇生手術で生き返えることが出来たのも、ヤマトに復讐するという執念無しではありえなかったらしい。
総統は彗星帝国の重臣らが、ヤマトごときとるに足りないといった態度を示すと俄然ヤマトの肩を持つ。
ヤマトをテレザート星近くで待ち伏せしている際も「ヤマト、早く会いたい」と呟きながら、とにかく一日千秋の思いで待つ総統。
又、幽閉から脱出後、彗星帝国を離れてヤマトに最後の決戦を仕掛ける総統。
ヤマトの居所をつきとめた際には「いたか、ヤマト、いおったかハハッハハ…、フハハハ…」と狂気じみて笑い続けるのでタランや部下もドン引きだ。
そう、総統はヤマトに対してもうストーカーみたいな感じ。
総統はヤマトが生き甲斐なのだ。
関心の全てがヤマトにあってそれ以外のことはもう何も考えられない。
ヤマトに強烈に執着している。
総統はヤマトに間違いなく惹かれている。魅了されているというか。
愛と憎しみは表裏一体、紙一重の感情なのではと常々思うことがあるのだが、総統はヤマトを憎んでいると思いながら、ヤマトをどうしようもないくらい好きになっていたのではないか。
こう考えると古代君と対峙した時の唐突といってもいいような変心というか改心というのも納得がいくかもしれない。
総統はガミラス戦でヤマトに負けた時から、日を追うごとにどんどんヤマトに対する複雑な思いが大きくなっていったのでは。(勿論本人は憎しみ、復讐の念との認識だと思うけど)
憎しみ方向へ向かっていた思いが、対ヤマト戦で実質的に勝利した結果と古代と雪に直接出会うという機会をきっかけに、逆方向へ反転しただけなのではないか。
だからコロリと恨みが消えたのかも。
憎しみと愛着と一塊の思いでヤマトを追っていた総統。
ストーカーっぽいと思ったけど、ほんとにストーカー的にヤマトを追っていたんじゃないか。
これを書きながら、ふと怖いことを思いついた。
継続的にどうして?と思うような憎しみを抱き続けている登場人物がもう一人いるのだが、この強引な説をそれに当てはめるととんでもないことになる。
それはサーベラ総参謀長だ(笑)。
サーベラが何故そんなにも?と思うほど総統を忌み嫌っているのは、もしや総統に無意識下で惹かれているからとか…。
そうだったらなにやらとんでもない二次小説が書けてしまうかも(苦笑)。
まあ、いくらなんでもそれはないでしょうが。
新作「ヤマト2199」のアベルトが、最後の白兵戦の時に、「私を追いつめたヤマトが欲しくなった」みたいな事を言っていたが、それもこういうことなのか?
うーん、アベルト、君は決してヤマトに追いつめられたのではなくて、自分の妙な暴走行為で追いつめられただけではと思うのだが…(苦笑)。