ロマンアルバム・エクセレント53 宇宙戦艦ヤマト パーフェクトマニュアル1

 昭和58年1月5日発行/  発行所 徳間書店/  212p/  定価1200円

 

 (内容)

 

★YAMATO Film Digest   p5~p36(32p)

   ヤマト1作目のフィルムストーリー

 

★YAMATO Episode Guide26  ( p37~p84)(ヤマト1作目)

   Main character Sheet  p38~p51(14p) 松本零士氏のキャラクターラフ設定

                        (主要人物分)

   Story digest       p52~p84(33p) 全26話の設定資料とストーリー紹介

 

★Arribederici YAMATO Cine Digest p85~p116(32p)

   映画「さらば宇宙戦艦ヤマト」のフィルムストーリー

 

★Arrirederci YAMATO(さらば宇宙戦艦ヤマト)

   Character Sheet   p117~p129(13p)   キャラクター設定資料

   Mechanic Sheet    p130~p135(6p)   メカニック設定資料    

   Art Sheet                  p136~p140(5p)   美術設定資料

 

★YAMATO2 Film Digest p141~p156(16p)

         「宇宙戦艦ヤマト2」のフィルムストーリー

 

★YAMATO2 Episode Guide 26

   「ヤマト2」全26話の設定資料とストーリー紹介     p157~p172(16p)

 

★Characters Catalog(キャラクターカタログ)

          登場人物図鑑のようなもの(カラーページ)

   

   地球                    p174~p187(14p)

   イスカンダル                p188~p189(2p)

   テレザート        p190          (1p)

   シャルバート       p191~p192(2p)

   (ガルマン)ガミラス   p193~p198(6p)

   白色彗星帝国                  p199~p202(1p)

   黒色星団帝国                  p203           (1p)

   ボラー連邦                     p204           (1p)

 

★MEMORIAL YAMATO Producer special intorview  p205~ p209(5p)

   西崎義展プロデューサーへのインタビュー

 

 

 (感想)

 

ロマンアルバム・エクセレントという肩書きのついたパーフェクトマニュアル1と2は特異なロマンアルバムである。

ここで紹介する1では「宇宙戦艦ヤマト」1作目、「さらば…」「ヤマト2」の3作品がフィルムストーリー、各話設定、各話のあらすじの三要素を掲載するという形で取り上げられている。

ロマンアルバムシリーズは、作品について、いつもこの三要素を重点をおいて取り扱うというのが定番の編集方針であるように思う。

 

この本の後記には「昭和58年3月にヤマト完結編が公開される機会に既刊の補完を兼ねて今までのロマンアルバムの総集編を残すつもりでこの2冊を出した」と記されていた。

そう、これって、この一冊で通常ロマンアルバム3作品分合併号みたいな感じになっているのだ。

だからページ数は普通のロマンアルバムよりはるかに多く、とにかくボリューム満点の分厚い本になっている。

総集編と称する通り、これさえ持っていれば、設定、ストーリー把握の点だけなら、既刊のロマンアルバムはいらないかも…と思えるぐらいだ。

しかし、既刊分には、その他にも声優さん対談等、それ独自の記事もいろいろあった。

あれはあれで読んでいてとても楽しかったので決して否定はしないけども…。

 

元の定価は1200円だが、この1、2の2冊のムック本はヤフオクや、その手のネットのお店でも、元値よりも結構高値で売買されていたりもした。

なので、私は欲しいと思いながら、なかなか買えなかった。(だって私、ケチですから・笑)

少し安くなっているのを見つけて、1、2共やっと買えたのはつい最近であった。(最近値下がりしてる?)

この2冊を買ったことで「資料室」をこのサイトに作る決心をしたといってもいい。

読んでみて内容的には大満足であった。

 

私がこの本で一番ウケたのは1作目製作の際の松本零士氏と岡迫亘弘氏のキャラクター設定画(ラフ等)の推移を目に出来たことであろうか。

松本氏のキャラクターデザインのラフ画が何種類も載っている。

岡迫氏によるラフ稿、決定稿の画も掲載されている。

これがとても興味深かった。

 

古代君、雪ちゃん、徳川さん、佐渡先生、アナライザー、スターシャは、あまり驚くようなラフ画はなかったが、島君、沖田艦長、真田さん、デスラー総統はものすごくびっくりした!(笑)

そして、キャプテン・ハーロックの設定画があったのが、これ又びっくりであった(もう、びっくりの連続です…この後の記述でも私のびっくりはどんどん出てくる!笑)。

古代守が、ハーロックになるんだ…、というのはどこかで耳にしたことがあったが、フーン、初期にはこんな設定があったからその話を耳にするんだなぁと納得したのだった。

 

(注・デスラー総統については後で取り上げることにします)

 

島君については、決定稿と全然違うラフ画がいっぱい掲載されているのが笑えた。

サラサラ髪の青年だったり、不良っぽかったり(岡迫さん分)、とても素朴なモッサリした雰囲気の青年だったり、…多様すぎる!(笑)

でもやっぱり、決定稿の島君が一番いいな…と思った私であった。

 

沖田艦長は、帽子を脱いだラフ設定がいくつか描かれているのだが、徳川さんのようにハゲているのやら、ひどく髪がボサボサやら(編集の方のコメントで「原始人を起想させる」とある・笑)こちらもツッコミ所満載設定であった。

 

そして私が最もびっくりしたのは真田さん!

当初は松本先生の独自作品に登場する悪役ヘチを原型とした坊主頭の人物が設定されていたらしい。

次に髪があるバージョンになったらしいのだが、この段階の画は非常にデスラー総統に似た感じの人物に仕上がっているのだ!

「エーッ?!これって顔が総統だよ!!」と私的にはとても萌えた!(笑)

きっと髪型が総統ぽかったからか?

真田さんがあんなだったら、真田さんを好きになっていただろうか…私?と考えたが、うう…ん、なんだかきっと違うと思う(笑)。

顔が似てても、真田さんは真田さんだもん、やはり、総統がいいんだ…もん!テヘッ…(赤面)。

(何を書いている!?、もう勝手に妄想してろ!!状態です…苦笑)

 

あと、Characters Catalog(キャラクターカタログ)として1作目から「ヤマトⅢ」までのキャラクターが網羅されているのが気に入っている。

ほんの少ししか出てない脇の人もちゃんと取り上げられているのもいい。

地球、ガルマンガミラス、などと星別に分けていて勢力ごとに一堂に会して(?)掲載してくれているのも壮観である。

 

主要なキャラについては一人で1ページを使ってくれている。

各作品からカットが何点かピックアップされて掲載されているので(サイズは小さ目だけど)、キャラの顔の変遷も比べてみるとよく分るのだった。

その上、企画段階の分の顔カットも載せてもらっているキャラもいて、その人たちは決定稿と見比べる楽しさもある。

 

ここで私が一番気になったキャラは、森雪ちゃんである。

以前からこのことは気になっていたのだが…、雪ちゃんの髪の色って本来何色なんだろう?

このキャラクターカタログに載っているいろんなカットでも髪の色はいろいろなのだ。

茶色ぽいこともあるが、時にはもっと薄い色、金髪のようなこともある…単に光の加減というには無理があるかも…?(笑)。

リアルタイムで旧作を観ていた時にも、染めてるのか?日本人か?何か深い事情があるのか…?等々、考えていたような気もする(笑)。

雪ちゃんは、おしゃれさんなので、気分に合わせて髪のカラーリングも変えてるのかな?…今も昔もやはり私にはその真相は相変わらず謎のままである(笑)。

 

この本は、こういったキャラがらみの設定だけでなく、メカや美術設定の資料も充実している。

編集部の言葉にもあったのだが、既刊のロマンアルバム分を補うように設定資料のいろいろを、これでもか!という程、たくさん載せてくれている。

それらは小さめの画であるが、その分、数は半端ない。

ほんの小物から、都市の全景に至るまで、実に多岐に渡る。

じっくりこの本を見て読んだら、相当な時間がかかると思う(私はまだそんなに熟読してないですけど…汗)。

 

私個人の感想だが、一般の人向けで押さえるべきムック本は?と聞かれたら、この本(2と併せて)を薦めるのが良いと思われる。

それくらい充実した内容になっている。

 

 

(独断!デスラー総統追っかけ目線メモ)

 

さて、デスラー総統の初期設定のラフ画についてである。

きっと真田さんが総統か?!という顔の設定過程があった故か、総統は初期ラフ画では現総統とは似ても似つかぬお姿で描かれていた。

編集の方の言葉では「長髪で、むしろフランケンシュタインの怪物を連想させる容貌である」と記されていた。

確かに、これは言い得て妙である。

 

髪全体の長さは肩に届く位の動きのあるロン毛(あっ、ロン毛って、もしや死語?・笑)で色は黒、前髪は現総統と同じような分け目だけど、もっと長めだ。

顔は確かにフランケンシュタイン(苦笑)、服も、もっとピッチリしたフィット感のあるハイネックのデザインだ。

決定稿の現行総統とはイメージが全然違う。

決定稿の総統は冷徹で尊大で傲慢でナルシストだけど、紳士的な洗練された清潔なイメージがある。

対して、ファーストラフ画の総統はもっと怪人ぽいし、見た目も荒々しさを感じる。

きっとあれじゃ、性格も相当凶暴かも…?(現行の総統も内面は凶暴なところもあったけど…笑)

ネットでプロレスラーぽいと評している方の言を読んだことがあるような…、これも納得…の私だ…(苦笑)。

 

岡迫氏による準備稿は顔はほぼ現行に近いが、髪は黒くて長髪なのだった。

そしてトレードマークのマントも羽織っているのだが、このマントは派手に大きい立て襟がついているやけに存在感のあるマントであった(ちょっとハーロックのマントみたい)。

 

こう見てみると、総統は長髪になる可能性が大だったようである。

黒髪でロン毛の総統か…、現行の総統のビジュアルが好きな私にとっては「そんなのイヤーっ!」って感じである(笑)。

とはいっても、1作目の途中までは顔は肌色、髪は茶色の総統が公式で何話か実際に放映されていたんだから、青色肌、金髪を私が絶対視しているというのもおかしな話かもしれないけど(苦笑)。

でもやはり青色肌で、金髪で、あの軍服であのマントがデスラー総統の必須条件になってますよね!一般にも、勿論私にだって!!

 

Characters Catalog(キャラクターカタログ)のデスラー総統のページには総統のカットが19個も掲載されているのだった。

あの作品、この作品、シリーズ作品あれこれのいろんな総統のご尊顔が網羅されている。

私はこのサイトの文章の中でよく、総統の顔が美形なのか?だの、顔に統一性がない!だの、文句めいたことを書いていたが、あの初期設定のラフ画を見た今となってはちょっと反省している…。

決定稿の現行総統の顔で十分満足です…、文句を言うとバチが当たるよ…(笑)。

総統、今のお顔で私の前に現れてくれてありがとうございます。

 

そして、松本先生、岡迫先生、製作にかかわった皆様方(特に西崎プロデューサーか?)、決定稿のビジュアルを選択、決定していただき、誠にありがとうございました!

心の底からお礼を言いたいぐらいである。

…、どんだけ、初期設定だったら嫌だったんだ…私…?(だって…、全然私の好みじゃないんだもん!!苦笑)

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