19.地球側の人々のことあれこれ

 

(1)山上一家と団彦次郎のこと

 

「ヤマトⅢ」の前半に出てくるエピソードの人々である。

彼らの話はきっと25話に短縮される前の52話の構想の上のエピソードだと思う。

25話の流れからすると、この人たちはいらないかもと強く思うのである(笑)。

 

私が最近手に入れた本「宇宙戦艦ヤマト画報」(竹書房)を読んでいると打ち切りにならなかったらこの山上一家のトモ子が後々重要な役割の人物になる予定だったと書かれていた。

 

極寒の星バーナード星に地球から移住した山上一家の家族構成は、どうした?と思うほど頑固な父とその息子、息子の嫁トモ子の三人家族である。

頑固な父がこの星の移住を率先してそれにつき合わされる形でついて来た息子夫婦。

息子はこの星の風土病にかかり瀕死の状態、地球への帰還を勧めるヤマトの人々に対してこのガンコ親父は拒否し続けるのだが、なぜそんなにも帰りたくない?と不自然なくらいの頑なさである。

変な人なのである(笑)。

押し問答しているうちに息子は息を引き取り、その姿を見てやっとガンコ親父は帰ることを承諾するのだが彼も風土病にかかって倒れてしまう。

そしてヤマトに保護された息子の嫁トモ子は妊娠していたようだ。

25話の話中ではトモ子はヤマトの女性乗組員と一緒に早い段階で地球に帰還していた。

 

が、「ヤマト画報」によると52話構想ではラスト近くまでトモ子はヤマトの皆といるようで、彼女の出産を見てデスラー総統が星間戦争を止める気持ちになると書かれていたのであった。

これって本当?そうだったら見たかったかも。

出産に心を動かされて戦いを終える決心をするって…、描かれ方によってはどっちにも転ぶ展開かもしれない。

総統の人間味爆上げ感動展開か、それともなんだか変な人度合い急上昇になったか…(笑)、大変興味深かったなぁと見られないことを残念に思う私なのだった。

 

もうひとつ、団彦次郎気象局一等技官の出てくる回があるのだが、この団彦次郎のエピソードも必要なのか?と大いにいぶかしがった私である。

この人何故か最初ヤマトに対して悪意を持っているようなのである。

無理を言ってヤマトを困らせるというか、嫌なおっさんである。

ヤマトの人々と一緒にいるうちに途中で、それは自分の誤解のせいだったと改心していい人になるのだが、52話あったら、このいるか?というエピソードも許せただろうが、25話しかないのに、このおっさんは…!、と言う気が見終わったあと苦々しく思い出されるという…(苦笑)。

団彦次郎って名前の響きが何故かとても気になるというか、心に引っかかる私なのだった(変な響きじゃないでしょうか?)。

あのエピソードはダゴン側の作戦のやり方の汚さ、残忍さを強調する為のものだったのかな?

 

(2)南部と相原のこと

 

「ヤマトⅢ」の南部は今までの作品よりヒートアップした発言が目立つ。

南部こんな無茶言うキャラだったか?

古代が艦長になって南部の砲術科での責任が重くなったので気持ちが高揚しているのかもしれない。

タゴンの艦隊に対して「今たたいておかないと!」と声高に追撃を力説したり、どうしたんだ?というくらい語気も結構荒めなのである。

熱い人度が格段にアップしていた。

極めつけはファンタム星がコスモ生命体と分かりガルマンガミラス側が調査ドリルを打ち込んだせいで、ファンタムが突然暴れ出してヤマトの乗員も退避せねばならなくなった時のことである。

揚羽と土門が行方不明のままで彼らを探しに行くことも出来ずに途方に暮れるヤマトの面々。

この場でも南部は又「ファンタム星、一発ぶち込んでみましょうか。」と大胆発言である。

島が「バカ!そんなことしたら、揚羽と土門はどうなるんだ!」と一喝していた。

当然である(笑)。

南部、普通の人領域に戻ってこーい!である。

 

相原は「ヤマトⅢ」で逆玉状態だ。

私が思うに相原って乗員の中でも特に感情のおもむくままに行動する人である。

フリーダムな奴。

一作目でも、地球に帰りたいといって一人宇宙遊泳状態になってたし、「ヤマト2」で通信に対する島のちょっかいに傷ついたからといって泣いたり。

今回はなんと偶然が重なったとはいえ、ラッキーにも藤堂長官の孫娘でとびきり美人な彰子とラブラブになっていた。

全くすみにおけない男である(笑)。

あんなちょっと草食系入ってるぽい雰囲気を漂わせながら、フリーダムな性格でちゃかりといいところどりである。

きっと感情を適度に表に出して素直に生きた方が力んでやってる人よりも棚ぼた式に幸福がやってくるのかもしれない。

なんか深い教訓があるかもヤマト。(笑)

 

(3)島のこと

 

「ヤマトⅢ」で島は冷静な判断をするいつもの島に戻っていた。

「ヤマト2」ではいつもの島らしくない面もあって面食らった私であったが、もうすっかり心は通常運転の島である。

前述したように南部のファントムに一発ぶち込む発言を一喝して戒める発言をはじめ、ファンタム星を初めて目にしたヤマトの皆がその地球そっくりの見た目に地球じゃないのか?とどよめく最中、地球じゃない!とこれも強く断言。

まあ島が航海をとりしきっているのだから一番分かっているので当たり前だが。

 

この場面、前作「ヤマトよ永遠に」のテザリアム星が地球を真似ていたときの場面をデジャヴのように思い出した。

あの時も地球とそっくりのテザリアム星に乗員たちはどよめき、島に地球に間違って来てしまったんじゃないかとしつこく問い正していた。

テザリアムに降りた後もまだ執拗に地球じゃないの?という古代たちに絶対違う!とちょっと切れかかりながら言う島がかわいかったが(笑)、今回も又、島は俺が違うと言ったら違うんだ!俺の言葉を信じろ!ともっと皆に強く言いたかったかもと思う。

 

前半部分で、艦長になった古代に対して、少し嫉妬していたかもしれないと言っていた島だが、島がヤマト航行にとって一番の功労者だと思ってる視聴者も多いと思うよ。

連続ワープしたり、障害物だらけの空間を運行したり、島の功績は大きい。

その割に地味めな扱いに島は虚しく思うこともあるかもしれないが、要所要所でバシッと決まるコメント等、いいとこいっぱいあることは皆分っているよ。

私は時々無性に島を応援してやりたい気になるのであった(笑)。

「ヤマト2」ではとんでも人になりかかったが、あの後はちゃんと常識人に戻って来てくれた島なのであった。

まあ、たまには羽目もはずすしてもいいよね…。

 

(4)揚羽と土門のこと

 

揚羽と土門は「ヤマトⅢ」で新しく登場した乗組員である。

どちらもイケメンである。

期待の新人であったろう。

 

揚羽は家もお金持ち、顔も大変美形である。

今までの登場人物で一番美形設定の男子ではなかろうか。

揚羽は前半はさほど目立つような活躍はない。(あったっけ?)

揚羽がスポットライトを浴びるのはファンタムに見初められてからだ。

ほんとはルダ王女に見初められたのかもしれないが。

ファンタム、ルダコンビに気に入られたのが彼の運命を決定したといえよう。

 

ルダと揚羽は相思相愛になるのだが、途中揚羽はシャルバート教に既に入信してしまったような描写もあった(笑)。

ちょっと危険なシャルバート教!

そしてこれは私の心が曲がっているせいかもしれないが、ボラーの移動要塞にコスモファイターで突撃していくのもルダに導かれたような感じにも見えた。

ルダ王女ったら揚羽の魂をシャルバートへ連れていくと言って去って行ったが、魂だけでも欲しかったので狙っていたとか。

すみません、邪推し過ぎか私(苦笑)。

きっと揚羽があんなハンサムボーイでなければルダ王女に気にいられなかったかも…、美形はいいこともあるが、リスクもあるということだろうか。

 

さて、土門の方はナイスガイである。

きっと製作側も古代君の後がまの人物候補として登場させたのだろう。

 

期待の新人なので下積みから這い上がるサクセスストーリー(豊臣秀吉の草履取りから天下人みたいな…)を意図していたのかもしれないが、しかし、いくら下積みから這い上がってこい!でも、生活班からいくか?

 

古代君だってそんなとこから這い上がったわけではないだろう。

ちょっと無茶ぶりするなぁ…古代君(古代君が生活班を命じていた・笑)と製作サイド(笑)。

途中からなんで生活班がそんなことするのだ?というふうに戦闘の主要場面にどんどん入ってくる。

そしてやっと戦闘班入りだ。

結局土門は料理上手になったようだ。

第二の人生(コックさん)や家庭的な夫になるだろうというのには役だつと思うけど、それで良かったのか?(笑)

 

揚羽はルダ王女に見入られ状態なので女神に魂奪われコースを選んだ結果であのように亡くなったのかもしれないが、土門は死ななくてもよかったと思う。

しかし、土門が撃たれたので揚羽の心が暴走したのだろうか?

揚羽を暴走させるためには土門の死が必要だったのか…(土門哀れ・涙)。

うーん、古代から新しいヒーローに乗り換えようと思ったがやっぱ古代君でいこう、という制作側の変心でお払い箱になった疑惑もぬぐえない、…かわいそうな土門であった。

重ね重ね、なにも死なせなくても…と思うのである。

 

 
20.「デスラーの祝日」のこと

 

この16話は総統のプチ総集編であった。
「ヤマトⅢ」に至るまでの総統の軌跡が今までの作品から抜粋され編集される形で放映されていた。
話の半分ぐらいがこれで占められているのである。(長い!)
かいつまんでといっても一作目、「2」「新たなる…」と3作品あるので、まあまあ時間をくうというか…(総統、ずっと出てるからなぁ・笑)。
確かに、もし「Ⅲ」から観た人がいたら、この回がなければ、この人誰?ヤマトと知り合い?ガルマンガミラス星の双子星にオーバーラップしてる女の人って誰?状態になるだろうから仕方がないのかもしれない。
だが、シリーズずっと観てた人は延々と続く再編集にやや手抜き感も感じるかもしれない(苦笑)。

そして私の危惧は、この流れの中「新たなる…」部分の、この抜粋だけを観せられたのでは、まさか総統が人妻(スターシャ)に対して勝手に「愛しているのだよ!」と言っているとは新視聴者は思わないかもしれないということだ(笑)。

知らない人はスターシャと両想いだったのかな…などと誤解していないだろうか?総統は誤解されたいかもしれないが、でも断固違いますから!!(笑)

 

祝日というのはガルマンガミラス帝星の建国記念日(一周年)らしい、そして総統のお誕生日でもあるらしい。
うん、こういうことってある、トップの人の誕生日を建国記念日にすることは、特にこの星って独裁だし当然だろう…(苦笑)。
ネットで見た情報だが、日付は3月19日らしい。
フーン、じゃあ、総統は魚座の人である。
魚座の性格を検索してみた。(皆さんも検索してみてね)
…いろいろ書かれているので当たっているような所もあるが、違うと思うところも結構あるような…(まあ、そういうもんでしょう・笑)。
相性の悪い星座に乙女座が入っていたのがショックであった。
ちなみに私は乙女座である…(涙)。(ほんとにどーでもいいことですが…苦笑)

 

又、タイトルの「デスラーの祝日」という字面だけを見ると、総統の祝日の過ごし方云々のような気もしてくる。
考えるに、総統は祝日、休日などどうお過ごしであろうか?
今は帝星建国一年ぐらいなので、大変お忙しいと思うが、いや、一作目だって地球移住に心を砕かれていただろうし、その後の放浪生活中もめぼしい星探索に頭を痛めておられたはずだ。
きっとずっと忙しい日々かもしれない。
休日なんてない!そんなのとらない!状態であろうか。


しかし、そのわりに一作目は風呂入りまくり、侍女たちとキャバクラごっこしてたし、酒も楽しむし、おまけに早寝してる様子だし…、大変幸せそうに過ごされていたようにも見えた(笑)。
まあ今も酒などゴクゴク飲みまくりだし…スターシャ星は愛でてるし…、結構マイペースの息抜き上手なのかもしれない。
あんな激動、波乱万丈人生の境遇だったらストレスでどうかなってもおかしくないけど、人一倍精力的に充実した日々を過ごしているところをみると息抜き上手で超タフな独裁者であるといえよう。(やっぱりすごいなぁ…笑)

 

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