50.伊東のこと

 

伊東は「ヤマト」にとっては異質なキャラクターだった。

防衛軍の芹沢もそうだが、シリーズ作品において内部にあのような対立する勢力をはっきりと描いたことって今までなかった。(まあ婉曲には描かれていたのだけれど…)

ガミラス側も一枚岩でないという描かれ方だし、リアルを目指しての描き方なのかもしれないが、26話しかないので消化不良気味のような気がする。

 

さて、伊東のことである。

とてもシニカルな人物だ。

それに妙に思い込みが強い。

見た目はガミラスのギムレーとちょっと被る(笑)。

 

ずっと森雪をユリーシャと同一人物と思い込んでいたようだし…、これについては違う!と誰が言っても全然聞く耳持たず状態だ。

死ぬまで一貫して思い込んでいたところが、スゴイ(苦笑)。

 

また「これだから女は」と言いながら新見女史を射殺しかけるといった、女は嫌いだ!オーラも強烈に振りまいていた。

過去によほど女にこっぴどい目にあわされたことがあるのか?そんな根に持つような経験があるのか?(笑)

 

とにかく今までのヤマトではこんな人物はいなかったという特異な人であった。

伊東よ、君は、何故そんな頑なな、ひねくれ者さんなのだ?(笑)

 

膨らませたら相当面白い人物になったかもしれないのだが、いかんせん26話ということで時間がない分、彼の最期はほんとにあっけなかった。

あっ、そういえば、ギムレーもどうした?というくらいあっけなく死んでたし…、あの手の顔の人はああいう扱いなのか?

なんだか可哀想である。

 

しかし、あまりにあっけなく使い捨てられたような扱いを受けた為、もったいないなぁ…と妙に印象に残り続けるのだった。

フッ、私は中の人(声優さん)が関俊彦さんというだけで好感をもってるのかもしれないけど。

(関さんは私にとっては愛すべき仮面ライダーのモモタロス!ずっと、ご贔屓ですから!・笑) 

 

 

51.ヤマト女子の制服、イスカンダル人の服について

 

旧ヤマト一作目の唯一の女子、森雪の制服は身体に密着した全身タイツみたいなのだった。

今回もそれを踏襲して全身タイツみたいだ。

そして身体のパーツを強調するような縫い目というか、はっきりしたラインがエッチな感じで入っているのだ。

うーん、視聴男子向けのサービスであろう。(苦笑)

 

ではヤマト男子の制服は今回、旧一作目と比べてどうなったのかというと…。

旧一作目は上着は割とぴったりしたシャツみたいなので、ズボンにインしていた。

それが今回は何?あんなゆるゆるの上着タイプになっている。

 

これって不公平ではないか?女子だけ前のままのピッチリタイプか?

男子だってピッタリピチピチタイプにしてもらいたいもんである。

「ヤマト復活編」なんか男子もピッタリしていたよ(大村さんのようなおじさんもピチピチ着ていたぞ!笑)。

女子向けサービス精神が全く感じられないなぁと思う私であった。

 

イスカンダルの女人たちも以前に増して刺激的な服装である。

足丸だしルックの妹たち、相変わらず胸元もどんだけ開ければ気が済む?状態のスターシャ。

(ちなみに、旧作のスターシャは貧乳ぽいのであまりいやらしくはなかったような(苦笑)。

 

そしてガミラス側の男性陣、総統の服もしかり、アベルト総統の服もゆったりブカブカサイズである。

フーッ、女子のファン層が薄い証拠かもしれないが、男子をあんな禁欲的にするなら、それに合わせて女子だってまともな服にしてもらいたいなぁ。

 

古いけど、ガンダム一作目とか、アムロの服もセイラさんの服も型は同じで色違いだった。

本来あああるべきなのではと思う。(本当は私はこれが言いたいのである・笑)

 

女子が全身タイツなら、男子もしてよ!である。

女子をエロくするなら男子もエロく!(こんなこと言ってるの私だけかも・笑)

でも、男性陣がみんなドメルみたいになってたら…、いや、それはそれでまずいかも(笑)。

きっと私などは心がザワついて話の筋すら追えないでしょう…(笑)。

 

 

52.女子乗組員、特に山本玲のこと

 

旧ヤマトシリーズと「2199」の一番違うことは女子の数であろう。

このことについてはいろいろ感慨深い。

女子の社会における地位や扱いにまで関する考察にも及びそうなことがらである。(オーバーな・笑)

 

はっきり言って私が思春期だった旧作の頃って、アニメの作品にとって女子は刺身のツマのようなものだったと思う。(主役の添え者という意味で)

男子が敵と果敢に戦っている横で優しく見守ったり、ちょっとしたお手伝いをしたり、たまには一緒に戦うこともあるけど、最後の最後は結局男子に助けられるのだ。

私たちってそういうのを見せられて大きくなった。

 

そのうちセーラームーンなど、自らの意志で戦う女子の作品が出てくる。(これって大事件だった!)

今では女子が主になって戦うというのも勿論有り。

むしろ、こっちが主流になっているかもしれないくらいなのだから世は変わったものである。

 

私は女子を刺身のツマ扱いとは、バカにしてるよね全く!と思いながらも、まあ、でも気楽でいいか、責任とらなくていいし、なんて思ったりもしていた。(洗脳されてたのだろう・笑)

今の女子の活躍は、ひたすらスゴイなぁ的に見ている面もある。

「ヤマト2199」も今の他のアニメに合わせてちゃんと女子をフルに活用したアニメになっていたのだった。

典型的な男くさいアニメの一つ、あの「宇宙戦艦ヤマト」がである…。

時代は本当に変わったよ…(しみじみ)。

 

その代表のような人、山本玲である。

戦闘機乗りの役割が女子にも回ってきた。

でも私は実写映画版で黒木メイサ演じる森雪がちょうどこれと同じような役割を演じていたし…、今はあまりびっくりしてない。

実写版見たときはびっくりしたけど(笑)。

 

山本といえば「ヤマト2」で戦死したあのハンサムな山本の代わりだ。

制作サイドはやはりヤマトが好きなんだな…と思う。(それが作品作りに反映してるのが良い悪いは別のこととして・笑)

山本も、こうやって扱いも良くなって復活させてるし(女になっちゃったが・笑)、同じく「2」で戦死した加藤なんか今回早々と結婚させてもらってるよ。(しかし、艦内で婚活されちゃねぇ…苦笑)

 

山本は見た目もクールビューティーだし、戦闘機の操縦能力も桁外れに高そう。

男に一歩もひけをとらないような女子だ。

しかし、ちょっと暴走気味ではないか?

勝手に発艦することもしばしばだし、メルダとの対決目的で外に出たあげく、コスモゼロを失っていた。

あれなんて大問題でしょ(苦笑)。

 

それになんだか、女子ってことでちょっと大目に見てもらってるような気もするのだ。

最近のアニメの女子はいいとこ取りかもしれない。

その分お色気で男子視聴者を楽しませてるのでいいということ?(苦笑)

 

山本は一作目の古代君の勝手気まま気味の行動力を引き継いでいるようなのだ。

きっと、ガミラス側のメルダと対で考え出されたキャラなのかもしれないなぁと思う。(二人セットで見ると落ち着くというか・笑)

 

実は数多く出ている女子キャラの中で、私は山本が一番好きかもしれない。

森雪に古代君を取られてちょっと寂しそうにしてるところとか、自分の中で折り合いつけて古代君をこっそりと諦めていたところとか(いじらしいなぁ)、さっぱりしていて感情移入の出来るキャラだった。

篠原といい感じになってたから、あれはあれで良かったのでは。

古代君より篠原の方がいいかもよと私は思うけど。(私、相変わらず言いたい放題である・苦笑)

 

 

53.「2199」の古代進のこと

 

古代進は旧作シリーズの古代とは随分印象が違う。

まあ、他の人物たちも皆違っているけど、この人たいそう薄くなった。

旧作の古代君って乳飲料カルピスの原液ぐらい濃い人だった(4倍希釈用)。

今は喉ごしよくゴクゴク飲めるカルピスウォーターぐらいだ。

 

普通の人、常識人ぽくなった。

そして古代君にいろいろ盛り込まれていた熱く燃えるパッション部分が他の登場人物に間配られたのだ。

山本には無鉄砲にコスモタイガーで出撃するような部分や、すぐ手が出るような暴力的なところが移行していた(笑)。

島にも頑固で激昂しやすいところが憑依したのかもしれない。(父の名誉について激昂していたよ…、まあ、する気も十分分るけど)

 

行動力も雪ちゃんの方ががずっとあるかもしれないくらいだし、あげく終盤アベルトと対峙する大事な場面も雪ちゃんに持っていかれていた。

まずいよね…、古代君、主人公じゃ無くなっている疑惑さえあるよ(笑)。

 

そう、「2199」は群像劇ぽくなっていたのだ。

それも大人数版の。

26話でこれだけの人物を出すとなると、相当無理もあるだろうと思う。(人物描写が薄くなるとか…)

きっとこれって、リメイクということで以前のキャラは観てる人もやや分ってるよね感覚で出して、それにプラスして人を追加したのかもしれない。

製作サイド自体がヤマト好きのせいだと思うが(笑)、あきらか多すぎる人数になってたように思う。

 

古代君のこの薄まり様では沖田艦長を引き継ぐ艦長代理とかは無理のような気がする。

いや、もしかしたら無難になった分、上手く人を束ねられるのか?

リーダーシップは明らか不足気味な気もするけど…、今はワンマンは流行らないからこれでいいのかもしれないし。(昔の古代君では浮いているだろう…笑)

 

しかし、女子にはやけにモテモテだったなぁ今回の古代君。

雪は勿論、山本もメルダもうんと好意持ってたようだし。

そういえば兄の古代守も新見さんといい、スターシャといい、モテモテである。

この兄弟、特殊なフェロモン出す遺伝子でも持っているのか?と思う私であった。

まあ、確かに二人ともハンサムですけど…(笑)。

 

 

54.どうなってるの?コスモリバースシステム

 

コスモリバースのことを真田さんが、アーサー・C・クラークの言葉をかりて「十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない。」と表現していた。

特にそっち方面にはとんと疎い私なんぞ、仕組み云々については説明があってもさっぱりであろう。

では、もう素直に魔法と受け取りましょう。

 

古代守はイスカンダルで亡くなった後、コスモリバースに記憶の形で入れられたってことでしょう。

もともとあの装置はこういう人間の意識の核を入れなければその星を再生させることが出来ないようだから、守のでもいいんだけど。

けれどあれに入れておけば意思の疎通は出来るようである。

スターシャは守の光の玉に話しかけてたし…。

 

なんとヤマト艦内では幽霊に間違われてたけど、姿も形作って現れてたよね。

では、イスカンダルでもそうだったのだろうか。

あそこでも姿(ホログラムみたいなかな?)を見せたりしてたのか?

スターシャ、ヤマトが来るまでその守と語らったりしながら楽しんでいたのだろうか…。

 

そして、はっきり描かれていないので何とも言えないが、守は死ぬ前にあれに入れられることを知っていたのだろうか?

入れられて地球を再生する役も担うということを自覚していたのか?

なんだか帰路のヤマトの艦内でボーっと彷徨っているのを見ると、ちゃんと説明受けずに「死んで気がついたら入れられていたんだ、俺…」みたいな気もしなくないと感じた。

それだと凄く恐い気がする(苦笑)。

素直に死なせてやってくれ!と思ったりもする。

 

好きな人が死んだので悲しみ寂しさのあまり、スターシャがとっさに入れちゃったとか…、だって話相手欲しかったんだもーん的な…(苦笑)。

私がそう思うのは守がいくら弟が雪の死を嘆き悲しんでいたとしても、地球を再生するという使命を自覚していたら、それを投げ打って一個人だけ救ってしまうことってあるだろうか?と思ったからだ。

それとも、もうすぐ沖田が死ぬことが分ってたから、そっちの大仕事は沖田に任せばいいやということであろうか。

 

真田さんが怒っていたが、確かに怒るよね(笑)。

救うべき地球を目の当たりにした時点であの展開だ。

我々の旅って何だったんだ?!!どの面下げて地球に帰れる?!ええっ!!どうするよ?!って状態でしょう。

どうしようもない脱力感、無力感で打ちのめされるだろう。

ここの真田さん及び、周りの人々の慌てふためきぶりが切実で、私も同情、そして感情移入した(守、いい加減にしろよ!!と思ったよ・笑)。

 

実際は沖田が死んで、ちゃんと守の代わりのエレメントになって地球は無事に救われたようである。

良かったね~。

しかし、沖田は自然死しただけで、何の処置もせずともエレメントとなりコスモリバースに入っていけたのか?

…じゃあ、あれって死期の近づいた人たちに頼めば何度でも入ってもらえて何度でも使用可能なのか?

何処かの病院の中に置いておいて、危篤の人たちに頼んで願い事をかなえてもらうとか…。(不謹慎であるが…すみません)

「ヤマトと魔法のコスモリバースシステム」半永久的に使えるよ!…、万能、最強であろう(苦笑)

きっと、そんな安易な装置じゃないと思うけど、私にこんな突拍子もないバカな想像もさせてしまうような、ビックリ沖田エレメント化展開であった。

 

(ほんとは、あれを使うと何か、とんでもない代償を後で払わされるとか、超恐ろしい副作用みたいなのがある装置の可能性もある気もしている私。上手い話には裏があるといいますからね…、油断できないよ・笑)

 

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