22.「宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち」を観て

 

新たなる旅立ち、ヤマトの新たなる旅立ちの話というより、これってデスラー総統の旅立ちの話だよね。

総統のいろいろ「やっちまった!」物語だ。

 

まず最初は久し振りに母星ガミラスに戻ってきたら、見知らぬ誰かが勝手にガミラス星に埋蔵する強大なエネルギーを持つ放射性物質ガミラシウムを掘削していた。

即、攻撃を仕掛ける総統。

やはり総統は短気で好戦的である。

この交戦でガミラス星は、ガミラシウムの爆発もあって星自体が大爆発、四散してしまうのである。

ガックリ膝をつき落胆する総統、涙を流す兵たち。

気の毒である。

しかし、ガミラシウムが危険な物質と分かっていながら、ちょっと不注意すぎるよ総統も。

このガミラス星消失の影響でイスカンダルが大暴走し始めて、一騒動起きるのである。

 

掘削していたのは暗黒星団という悪者宇宙人で、この揉め事に巻き込まれた地球はこの後「ヤマトよ永遠に」でえらいことになるようである。

総統が何かすると、きまって地球にも災厄が…という気もする。

確か「ヤマト3」でも総統の部下がらみで地球は又えらいことになる展開だった。

思えば、お騒がせ宇宙人である。

 

この後の展開は、総統、人妻スターシャに愛の大告白、スターシャ、イスカンダルと共に自爆など、総統にとって二重三重の悲劇連発であった。

心、ズタボロ状態のはずなのに、ラストで古代君に気遣われると、気丈に宇宙を幾年彷徨うとも、いつの日か必ずガミラスを再興する!というふうな決意を述べたりする。

あくまでも男の矜持を捨てないその気概、見ている方が切なくなってくる。

頑張れ、総統、いつもめげないタフな総統だけど、今回はさすがに少し気遣ってしまった。

 

この作品、総統ファンの女性が見ると(こんな人、多数いるのか疑問ですが・笑)すごく照れくさい作品である。

私は赤面しそうな場面が何ヶ所もあって困った。

これまでの総統のイメージを覆す作品であるので、武人らしい総統が好きという人たちには評判が良くないのかな…。

でも、あの総統がこんなことに…というのがなんだかカワイイと思ったり、純情さにホロリと感動する人もいると思う。

私も赤面苦笑しながら、ジーンと来た。

総統に失礼であるが、萌えた!総統萌え爆裂作品である。

 

 

23.デスラー総統は古代が好き

 

総統は古代進を既に親友と思っている。

ヤマト2の後、やはり連絡は取り合っていたのだろう。おそらく(?)。

どのくらい連絡をとり合っていたのだろう。

スターシャと守の危機に、ヤマトに連絡を入れれば必ず来ると確信している様子。

古代が危機一髪の場面で姿を現すと、それはもう大そう嬉しそうな顔をしていた。

総統、そんな嬉しそうな顔しちゃって、デレデレじゃないの、古代君に。

総統は自国内では独裁者の立場だったから、臣下はたくさんいるが、きっと精神的にはずっと孤独だっただろう。

総統自身性格的に難しい方だから、周りもそうそう親しげに接するわけにもいかないだろうし、きっと友達なんかいない歴何十年単位かもしれない。

タランが近しいといっても一応臣下だから、そうそう明け透けな友人のようにとはいかないだろうし。

 

古代君って性格は怖いもの知らずだ。

言いたいことは誰にだって遠慮なく言っちゃうもんね!の人である。

正論だと思えば無茶も承知で所かまわず力説する。

総統だからって一切遠慮なしであろう。

きっと総統はそんな古代君が新鮮だったんじゃないか。

それに、言うより実行、行動力のあるところとか、勇敢で一本気、裏表のないところなんかが気にいってるとか。

総統は気に入ると、とことん好きになるタイプだと思うので、友達と思ったときから短期間に親友に一直線レベルアップしてしまっているはずである。

もしかしたら唯一の友達だから…。

古代君の方の気持ちはきっと総統側の大好きレベルには遥か達してないと思う。

友達の中の一人…ぐらいかなぁ。

 

 

24.デスラー総統はスターシャと守の結婚を知っていたのだろうか

 

総統はヤマト2の後、新たなる新天地となる星を探すために残存のガミラス兵たちと共に宇宙を放浪している。

「新たなる…」の中で、スターシャがデスラーからの最初の通信に対して「デスラー、生きていたのですか」と言っているのをみると、スターシャの方はデスラー総統が生きていたことも知らなかったもよう。

するとそれまで両者間には連絡等は一切なかったということだろう。

 

では、総統側はイスカンダルについての情報を得る方法はあったのか?

ここで気になるのは、総統は古代とどの程度親しくなっていたのだろうかということである。

ヤマト2で、彗星帝国の弱点を教えて去っていった総統と、彗星帝国の危機から脱した後の地球側はどんな接触を持っていたのだろう。

総統が暴走するイスカンダルを追いかけながら、地球に連絡を入れろ、古代にもと言っているところをみると、地球側とちゃんと和平の関係になったのか。

あんな激戦を繰りひろげた地球とガミラス間だが?と思わぬこともないが…。

しかし、そうだとしても、すごく親しげにお便りのやり取りをしていたとかじゃないと、古代が「イスカンダルでスターシャと俺の兄さんと結婚しちゃってさー」なんて情報を総統に伝えているだろうか?

なんだか、そこまでは細々とやり取りはしてなさそうな気がする。

まあ、すぐ祝電打ったり、モニターで「お元気かね?」と皮肉言ったり、総統は、変に礼儀正しそうなので、友達の古代に季節の挨拶みたいなのは送ってるかもしれないけど(笑)。

 

では、総統はやはりスターシャが守と結婚していたのを知らなかったと考えるのが妥当だろう。

そうだとしたら、通信した時に、スターシャの横に見知らぬ男の姿を見てどうだったのであろう。

顔は平然としていたよね。

でも心中は「誰?あいつ誰?エーっ、いつの間に…もしかしてスターシャそいつの人妻に!!?ガ~ん!!」状態か?

そういえば、守とは会話していなかったような、あくまでもスターシャに話しかけてたような…、総統、おいたわしいです。

 

 

25.デスラー総統は古代と雪がうらやましかった?

 

ヤマト2で古代をかばう雪を見て総統は「今お前たちが見せたものはなんだ?」「私は孤独だった」「私の目には愛する者の姿が映らなかった」などと、唐突とも思われる発言をされていた。

「もうヤマトへの恨みは消えた」と言って去って行った総統。

その後、総統は宇宙を同志たちと共に放浪しながら何を思っていたのか。

まあ、新天地探しという大きな目標も勿論あるだろうが、総統、ちょっと愛について…なんて考えていたのかもしれない。

 

古代と雪ってお似合いだったなぁ…ちょっと羨ましいなぁ…私には誰かいたっけ?…熟考…。

おおっ、そうだ、私にも気になる女性がいた!隣の星のすごい美人のスターシャがいた。

ちょっと頑固で、つんけんしてるけど、ずっと知り合いだし、気心も知れてるし、私、スターシャのこと好きなのか…、えっ、もしかしたら前からずっと好きだったのかもしれない…。

などと、それまでに比べると暇というか、考える時間も出来たので、気付いたのではないのか。

けれど、ガミラス星を見に行こうと兵士に演説しているあの時点でも、スターシャに告白して、その後何とかしようとは全然思ってはいなかったんじゃないか。

スターシャのこと好きだったんだなぁ…私にもいたんだよ、好きな人の一人や二人(一人しかおらんでしょ!)ホンワカ気分。

私のこと、怒って抗議ばかりしてたし、あんまりよくは思ってないかもしれないし、言い寄ってどうこうしても無理かもしれないなぁ…。

でも、スターシャいいなぁ、やっぱり好きだ、だけど今はひっそり心に秘めて想っておこう…、なんて考えていたかもしれない。(勿論これは私の想像ですが)

いい年してるのに、少年の淡い恋みたいに純情な感じである。 

 

 

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