27.デスラー総統の変遷のこと(外見編)

 

総統は一作目からシリーズ中ずっと出ている。(「ヤマトよ永遠に」にだけは例外だけど)

総統は内面も各作品ごとに随分変化していたが、見た目もいろいろな印象の絵があるのだった。

大きく分けると、一作目とその後の作品ではやはり大きく違う。

 

一作目の総統といってもこれ又、作品中でいろいろ絵がバラついていて、一言で言うのは無理なのであるが、中盤あたりの頃の絵が私は好みであろうか。(ガス生命体とか出てくるあたりとかね)

体格も中肉中背のような描かれ方も結構ある。

瞳もちょっと半目がちで、眉との間が広い。

これって2199版のアベルト・デスラーの目の表情に少し似ているかもしれない。

私はあの24話「死闘!!神よガミラスのために泣け!」回は体格も大柄でちょっと一作目としては異質だと思っている。

それと初期の顔色が肌色の時も、ちょっとまだキャラが固まっていない感じで、顔も色々とバラバラだ(笑)。

 

一作目のイメージとしては、肌がスベスベで身綺麗、身だしなみにとりわけ気を配っていて、お洒落なナルシストさんという感じである。

そして一言でいうと妖しくて、怪しい雰囲気の人。

妖しいはいいけど、怪しいは、どうよ?総統に怒られそうである…。

ちなみに、一作目の総統はたまに「アルプスの少女ハイジ」のクララのお父さんゼーゼマンさんに似た顔の時もあるのだった(笑)。

沖田艦長がハイジのお爺さん「おんじ」にとても似ているから、ヤマトはゼーゼマンさんと「おんじ」の戦いということだったのか?!裏番組を気意識し過ぎなのでは制作側(笑)。

 

二作目「さらば…」では見た目は上背があって大柄な感じであった。(もうこの後のシリーズではいつも大柄な体格のまま)

顔の感じはそんなに崩れたものはありません。(笑)

 

「さらば…」「ヤマト2」から以降は眉と目の間は狭く描かれている。

「2」ってたまにハッとするようなハンサムな時もあって嬉しいのだが、勿論そうでないこともある。

 

「新たなる」は素敵なお顔もたまにはあるが。、ちょっと残念なことも多々あったと私は思う。

 

「ヤマトⅢ」は温厚なお顔も間々ある、そんでもって温厚なせいもあるのか老けた感じもする。

 

「完結編」の絵柄は「さらば」に似ているかも。

 

総統は少々絵が変わっても顔が青色で、トレードマークの軍服とマントは変わらないので、それさえ満たせばもう総統と認識できる(苦笑)。

作画が色々あるから、とにかく脳内補正で、自分の認識の中にある美形モードに近づけて見る努力を怠らないようにしないといけない。

たまに私の強引な脳内補正も効かなくなるような破壊的な総統に出会うこともあるが、なんとか頑張るという…、まあ、昔のアニメはみんなこんなもんですよ、ハハハ…。

 

以前にも書いているが、総統って、美形なのか?ということを考えると混乱する…きっと違うかも…(笑)。

プリンス・シャーキンとか、プリンス・ハイネルのような美形悪役キャラとは全然違うように思う。

ちなみに私はあのような美形キャラには何故か萌えないのであった…(笑)。

 

そんな万人が認めるような眉目秀麗ではないことは分かる。

じゃあ、並なのか?でも…、ちょっとは美形要素感じてもいいのか?感じたいのが希望であるが…、最大限希望を込めて端正な容貌としておく。

並の上ぐらいとの評価なら皆納得か?並の並よりは上であると信じているよ私は!

客観性を無視すれば上の中と言いたいんだけど、上の下ぐらいで手を打つか!(笑)。

(もう!何書いてるんだか…、うな丼じゃないんだから…笑)

 

一作目の妖しさ爆裂総統が好きかも。

大人になって見返して思ったことは一作目の総統は、かなりセックスアピールもあると思う(笑)。

以降の総統はあまりセックスアピールは無いかもしれない。(こらこら!総統が聞いたら複雑な心境になるかもよ・苦笑)

でも、この後、感想で書くが内面を含めて考えると、後の方がいいなぁと思うので、作品を観続けていると外見の好みも一作目以降のバージョンの総統に惹かれていくようである。

まあ、どっちも総統なので好きなことは変わらないといえばそうなんだが…、総統ならなんでもいいや!みんなまとめて好きだもーん!(笑)

 

 

28.デスラー総統の変遷のこと(内面編)

 

前述で見た目の変遷について書いたが今度は内面について書いてみる。

外見より内面変化の方が大きいかも…変わりすぎ?(笑)。

 

一作目の総統

 

はっきり言って悪役、敵役そのものである。

勿論、作中、初めと終わりでは、やや印象も違っているが、一作目の総統は地球側と友達には絶対になれそうにもない人物として描かれていた。

総統自身がどのようにガミラス帝国のトップに立ったのかは描かれていないので分からないのだが、その地位は揺ぎ無いもので、帝国自体も飛ぶ鳥を落とす勢いといった様子。

従って総統にも自信が満ち溢れ、傲慢で尊大な印象を受けた。

総統は翳りのない栄光の光の中にいた。

あくまで傲岸不遜な態度で、ためらいも躊躇もなく冷徹に決断を下す人物だった。

プライドはあくまで高く、独自の美学に基づいて戦いすら時にゲームのように楽しんでいる。

クールで感情を表に表すことは少ない。

神経質そうなところもあり、切れると非常に恐ろしい、逆鱗に触れれば側近とて容赦なく粛清するといった冷酷な独裁者そのもののような人物と描かれていた。

ただ、卑怯なところは微塵もなく、公正な判断も出来る人物。

非道な攻撃を受けていた地球側からすれば許せない人物であるが、ガミラス側から見れば、非常に頼りになる指導者であったであろう。

 

「さらば…」の総統

 

出番は少ないし短い。

受ける印象は一作目とは違っている。

勿論、プライドが高くて、自分の美学に反するようなことは絶対に受け入れなさそうなところはそのままであるが、「さらば…」の総統には終始悲壮感が漂っていた。

総統には自星も帝国軍の兵士たちも、もう何一つ無く、彗星帝国に拾われたという身の上だった。

総統はタランと二人っきりで、ヤマトへ復讐を果たすことのみの為に生きているようであった。

悲壮感が漂いながらも、凛として決して頭をたれることのないそのお姿は神々しくもあり、ゆえに余計に見ている私は痛々しささえ感じ、胸が痛んだ。

 

「ヤマト2」の総統

 

「さらば…」とは違って、一作目のふてぶてしさも十分引き継いでいる。

しかし、一作目とは立場が全然違うので(本星が無いしね…)、あんなに全て世は自分の為にある!といった態度ではない。

とはいえ、尊大だし、慇懃無礼だし、死ぬほどプライドが高いし、総統らしさは十分あった。

ただ、ズォーダー大帝に敬意を持って頭も下げるし、ちょっとは我慢もするし、一作目に比べれば少しは人間が出来たというか…(笑)。

戦闘等の活躍は「ヤマト2」が一番本領発揮の姿が見られる。

すごい!強い!と感服した私。

性格も一作目とは変わってた。

随分分かりやすい人になったというか…(一作目ってとにかく部下の人たちもとっつきにくそうだったと思う)。

「2」ではタランとの絡みもあってか、ちゃんと話も出来そうな人なんだなと思わせてくれた(そりゃ出来なきゃねぇ…笑)。

 

人は挫折したときに初めてその人の姿が見える。

一作目は光に包まれたような陰の無い強さが感じられた。

「2」では勿論相変わらず傲慢かましているのだが、ふとしたときに人生の機微みたいなものが総統から感じられる。

ヤマトに負けたことを総統は十分自覚していたんだと思う。

総統は自分が侮った為に負けたことが許せなかった。

今度は力の限りを出して戦いたかった。

それを避けていてはいつまでたっても前へ行けない、それでしか自分を取り戻すことが出来ないと分かっていたのだ。

その挫折を越えて、次へ進む為に復讐の鬼となって一心不乱にヤマトを追った。

結果、総統は負けた自分を自らの執念で克服した。

そして次のステップに踏み出せたのだ。

 

「新たなる旅立ち」の総統

 

「新たなる…」では「2」よりも、もっと人間らしくなっていた。

今までほとんど迷うとか狼狽するとかは無い人物のように描かれていた。

怒る場面はあっても、困ったり、悩んでいるようなことは無かった。

そんな総統がこの作品では、スターシャの命運に一喜一憂していた。

らしくないと言えば、この上なく、らしくない総統の姿。

こんな面がこの人にあったなんて…信じられない姿だった。

いつも判断は冷徹そのもの、割り切って的確に瞬時で行うはずだったのが、次から次へと覆される展開であった。

カッコ悪い姿を人に晒すのは死ぬほど嫌と思われるプライドの塊の総統が、一見ものすごくカッコ悪い行為までして(皆が聞いているところで愛の告白みたいなのして…)、他者の為に自分を捨てようとしていた。

もうキャラクターの大転換の作品であった。

 

「ヤマトⅢ」「完結編」の総統

 

ここではガルマンガミラスが建国されて、又、一国のトップになっていたので、総統はいろんな面で余裕がある様子。

なので今までと比べて心も安らかになられたのか物腰がゆったりと大様な感じになっていた。

ガルマンガミラス、総統を頂点とした体制は厳しく律しているようである。

しかし、総統は周りの部下の意見も十分に聞き、合意の上で戦略等を含め治世を進めているようであった。

「Ⅲ」の総統は一作目に比べると、もう全然印象が違うかもしれない。

「Ⅲ」の総統については以前の感想にも書いたのであまり書かないが、古代たち地球人とも普通に接する人であった。

一作目の総統からすると全くもって別人かもという変わり様であろう。

 

 

ここまで見てきて、総統は本質は変わらない部分も多いが、経験を積むことで学習しているといってもいいと思う。

総統はヤマトとの戦いで、本星を壊滅させてしまってから次々と大切なものを失ったかもしれない。

が、失うと同時に別のものをその都度、得たのではないか。

それまでも総統の周りにそれはあったのかもしれないが、総統がそれに気づいていたかは疑問だった。

臣下との深い絆や、心の奥深くにあった情愛、友を大切にする気持ちなど、日々の戦いの刺激と興奮でそれらを見失っていた時期があった。

故郷の自星を失い、権力を失い、強大な軍事力を失い、民を失い、愛する人を失う中で、精神的な面で総統は忘れていたものを思い出し取り戻していったといっていいだろう。

 

勿論、総統の中の負の部分は全て払拭されたわけではないし、もういい歳の大人がそうそう全部変われるはずはない。

変われなくても成長は出来るのである。

完結編の総統はもう一度自星の壊滅という目に遭ったが、きっと新たに出直すはずである。

総統の物語は続く。

総統の物語は挫折と克服と復活の物語である。

挫折の後、その人がどう行動するかに興味がある。

繰り返し困難に押しつぶされそうになる、それでも何度だって逃げずに、逃げるこどろか、又、再びそれを屈服させる為に挑む姿勢は感服させられる。

めげない姿には勇気づけられる。

 

私は、この歳になってシリーズ全部を観る機会を得た。

「ヤマト2」から後の作品は初見であったのだ。

そして、このように変遷する総統を知ってから、ちょっと人生に対する考え方が変わった。

まあ、生きているといろいろなことが起こるだろうが、総統の波乱万丈激動人生に比べれば、そんじょそこらの困難はまだまだ甘いもんでしょう。

辛いときは総統を思い出して、総統に比べればなんのこれしき!!で乗り越えようと思ったのであった。(笑)

総統の生き方で、こんな人生教訓を得るとは、私って相当変な奴かもしれない(苦笑)

不撓不屈の人デスラー総統!是非、又、その勇姿で私に渇を入れてください!!

 

 

                  戻る