8.惑星ファンタムのこと

 

デスラー総統が太陽制御に失敗した後、地球の移住候補の星として紹介してくれたのがファンタム星である。

しかし、ファンタムは実はコスモ生命体で移住できる星ではなかった。

自分を守るために対象に幻影を見せる能力を持っていた。

ヤマトの人々には地球の姿を見せて、ガルマン人にはガルマンガミラス星の姿を見せた。

 

コスモ生命体って私は又よく分からないのだけれど、大きな生き物と捉えればよいのだろうか。

ルダ王女がボラー連邦に捕らえられてこの星に流刑にされたらしいが、ルダ王女を守ったのはこのファンタムの意志ということだったのだろう。

 

揚羽と土門がファンタムに残った時ファンタムがルダ王女の為に選んだのは揚羽の方だったようである。

あのファンタムの中心生命体の声の様子からするとファンタムって性別があるとしたら女の子かもしれない。

ファンタム、自分の好みで土門より揚羽を選んだような気がする。

美形好きのコスモ生命体、ちょっと親しみがわく。

私も美形の方が好きですから(笑)。

 

ヤマトの皆もファンタムがコスモ生命体だと分かってがっかりしたが、古代君はファンタムについて「やさしい星だ、地球の姿を見せてくれて」と好意的にとらえていた。

ファンタムは総統のプライドをいたく傷つけたせいで、ガルマンガミラスによって爆破されてしまうのだが、大きな生き物が殺害されたってことでしょ…、とても可哀想だった。

しかし、あの総統をあんなに怒らせたからなぁ…、激怒、爆破命令、この流れは総統らしいといえば極々総統らしい行動である。(危険な奴です、総統)

 

 

9.デスラー総統は古代君が大好き

 

「新たなる…」でも総統は古代君にひとかたならぬ友情を感じているようであった。

あの作品で共に暗黒星団のゴルバと戦ったから「ヤマトⅢ」では余計に総統の中の友情モードはヒートアップしたものと思われる。

ガイデルによってガルマンガミラス側の捕虜とされたヤマトに謝罪の通信を入れる総統は今までに一度も見せたことのないような低姿勢であった。

超フレンドリーな感じ。

ひゃーっ、こんな親しみ易い独裁者だったのか?(笑)

部下の無礼を詫びた上、星にご招待である。

 

卑近な例えで言うと、家を新築したので友人をお招きして自慢の新居を披露してみようというような感じにも見えた。

古代君も二つ返事で「ありがとう行く」と言っていたが、ほかの乗員(新しいメンバーたち)は不満気であった。

あの様子からすると古代君も総統のことまあまあ好きだと私は感じた。

やっぱり暗黒星団で共闘したからかな、総統の片思いじゃなくなっているようである。

良かったね総統。

 

古代君らヤマトの人々が星へ来るとなると「ヤマトが来る、古代が来る。」と来るのを今か今かと心待ちにしている総統、なんかカワイイ感じ。

おじさんだし、基本怖い人なんだけど変にカワイイ(笑)。

古代たちが来たら来たで、スターシャのことや建国苦労話など、まさに友達話をする総統。

総統は古代君をほんとに心を許せる友として思っているようである。

タランは別格として、ほかの側近の人にもスターシャのことを話すことはおそらく無いだろうと思う。

ああいう話が出来る友達っていなさそうだしね…。

 

総統は古代君も好きだが、雪のことも古代君と同等に好きなのではと思われる。

このカップルの姿が「ヤマト2」で生き方を変えたきっかけになったんだし、雪はあのようにイスカンダル人に似たタイプである。

総統はきっとお気に入りのはずだ。

「雪、足音ですぐに君とわかったよ。」発言はちょっとびっくりであった(笑)。

これってなんだか口説き文句にもとれる気もする発言。

まあまあ、いつも女には極々紳士的なので、こうなのかもしれないが、古代君がすぐに来たからよかったものの、二人で放っておいたら総統は雪にもっとキザで甘い文言を次々と投げかけたかもしれない。

すみにおけないなぁ、別に口説いてどうこうするつもりはないと思うんだけどね(と思うんですよ…、いや、もしかしたらあるかも…?笑)。

 

ガルマンガミラスにヤマトが滞在中、総統はヤマトに乗艦したり、太陽制御を古代と雪と三人で見たり、古代君に時折、武力で戦いに明け暮れてダメじゃん!みたいにキツく批判されたりしながらも、それなりに楽しい時を過ごしたのではないだろうか。

ヤマトが出立の時には、もっといてもらいたいがそうもいくまいと名残惜しそうであった。

 

きっと友情は両想いだけどやっぱり総統の方の好意は古代君側の好意の二倍ぐらいはあると思う(笑)。

総統の古代くんと雪への好意はとにかくうんと深くて強そうなのである。

古代君の方もだんだん総統の深い好意に気づき始めているような雰囲気もあるから、後一息かも(何が?)、もっとガンバレ総統!(笑)

 

 

10.「ヤマトⅢ」ってデスラー総統の面目まるつぶれ物語だ

 

「ヤマトⅢ」ってよく考えると総統のプライドが大いに傷つく出来事連発の物語だった。

まずヤマトが地球を出てきた原因がガルマンガミラスの惑星破壊ミサイルの流れ弾が太陽に命中してしまった為に引き起こされたということ。

対ボラー連邦との星間戦争の対戦中の流れ弾がたまたま太陽に命中してしまったので、仕方がないといえばそうかもしれないが(仕方ないですませるには事は重大すぎるか!)、あまりにも無責任なガルマンガミラス側の攻撃であった。

あんな危険な惑星破壊ミサイルがどこか行方も分からぬ方へ流れて行ったのを見ながら「放っておけ」で知らん顔するとは、やはり太陽がああなったことの責任は十分ある。

 

地球の太陽が暴走してしまったことについて、直接原因を作ったダゴン将軍自身もそのことを認識していたか疑問だし、上役にあたるガイデルはもとより総統にいたっては全く露知らずの出来事だ。

ガルマンガミラスを訪問した古代に地球に困ったことがあるなら相談に乗ろう!と懐の大きいところを見せようとして提案をした総統だが、古代に原因はそちらの惑星破壊ミサイルだと教えられる。

総統、「知らなかった」と顔にはさほど動揺をだしてはいなかったが…、普通に考えてもこの場に漂う雰囲気はとても気まずいよね。

 

だってヤマト側の乗員全員そのことは周知の事実であろう。

彼ら心中では「お前のところの部下のいい加減な行動のせいで、俺たちの太陽が暴走して地球滅亡の危機なんだぞ!どーしてくれるんだよ!全然知らなかったって…、監督不行き届きだろ!トップとしてどう責任取る気だ!?」と思っているやもしれない。

ちょっと考えれば察せられるであろう。

総統は、そういう空気は読める人である。

 

地球の科学力では太陽制御に失敗したと言う古代に対して、早速、それじゃ我がガルマンガミラスの科学力で制御してみせると大見得を切った。

ここで名誉挽回していいとこ見せなきゃ!それにこの「お前のせいで又地球が滅亡の危機に!俺たち遊星爆弾のこともまだ忘れてないぞ!」といった空気を払拭せねば!と絶対思っていたと思う。

 

ちょっとガイデルのことが心配になった。

ヤマトを捕虜にしてしまったのも総統に叱られていたが、部下のダゴンが地球にしたこの大チョンボもガイデルの部下管理不行き届きと総統に思われなかったかな。

描写はないがきついお叱りを受けたかもしれない。

タゴンはヤマトを攻撃しまくってたし、ガイデルにいたっては捕虜にしてしまってるし、それもこれもみんな総統がボーっとしてたせいとヤマトの皆に思われてるかも。

確かに、オリオン椀星系の辺境のこよなく美しい星、別荘地に最適なほど素晴らしい星と聞いた時点で「それって地球なのでは!?」と気づくべきだと私も思う(笑)。

建国急ピッチで総統もお疲れになってらっしゃるのかもしれませんが、視聴者はみんな、うかつ過ぎるだろ!もっと早く気づけ!とツッコんでたと思うよ。

 

総統、太陽制御には自信満々であった。

古代と雪と自分で中継映像を鑑賞会のような雰囲気で楽しもうとしていた。

全然失敗することは想定していない様子である。

なのにこれが又、失敗してしまうのである。

総統は太陽のこと「あの程度の太陽」と言っていたが、あの程度って…、なんか私たちの地球の太陽に対して失礼な言い草じゃないか?視聴者も古代君も思ったのではないか(笑)。

 

総統は失敗したと分かると中継していたパネルをブツっと消し、古代と雪に素直に謝り、そそくさとどこかへ行ってしまった。

又、気まずかった…、あんなにガルマンガミラスの科学力に自信満々だったのに。

この展開の前もシャルバート信者による本星防衛システムのコンピューターハッキングで防衛システムが働かず、ボラーの大型惑星破壊ミサイルが着弾寸前になり本星が壊滅危機状態に陥った。

ヤマトの波動砲でなんとか危機を脱することができたが、その時も古代に科学力、武力を過信するとこういうことになるんだ!と説教されていた。

面目なしの連続、大好きな古代と雪にいいとこ見せたいのに全部裏目に出ているのである。

 

これは、この後良かれと思って紹介したファンタム星でも又、繰り返されるのである。

最初、求めていた移住先に最適な素晴らしい星だと皆が思い大喜びした分、実は星に惑わされていただけで移住できないと分かった時の失望は余計大きかった。

総統は全然悪くないのだが、総統にしてみれば又々自分のしたことが裏目に、それも期待が大きかった分、ヤマトの皆や、地球の人々に与えた失望の大きさを考えると、変な星を紹介してしまったことの恥ずかしさは倍増であったろう。

あのプライドの固まりよような総統にとっては恥をかかされた思いも強くファンタム星をそのままというのを許せないのは当然の流れかもしれない。

 

ファンタム爆破の命令を出したことで古代に責められる総統、自分と自国に泥を塗ったことも許せなかったが、古代と皆をたぶらかした不埒な星が許せなかったと心情を吐露していた。

古代君も怒りながらも、古代をたぶらかしたのが許せないと言われるとね…。

総統の気持ちも分かってやってよ古代君、爆破するって、やってることは確かに酷すぎるけど、それも古代君たちを思ってのことだから…、と私などはフォローしたくなるのだった(笑)。

「ヤマトⅢ」、総統の出番も多いが、気まずく恥ずかしい目にもいっぱいあっている総統がたくさん見られる。

その代わりとてもカッコいいところも勿論あるんですが…、とにかく総統ファンはやはり必見作品であろう。

 

総統って、ファンタムの件の時も古代にデータ隠してるんじゃない?と言われるとムッとしてデータ渡した分だけだもん!!!と憮然と言い放ちブツっとモニター通信切ったり、自分の都合の悪いときはすぐ通信をブツっと切るのである。

懐が大きいようで反面、時々心がとても狭いんじゃない?と思われることしたり、偉大な人っぽくて卑近な人の部分もひょこひょこ顔を出すという、見ていて飽きない、見れば見るほど興味の尽きない人なのである。

妙に大人気ないようなところもあるし…カワイイといったら総統に銃殺されそうだが、やはりどう見てもカワイイのであった。(笑)

 

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