銀河英雄伝説のアニメ作品のこと(徳間製作OVA版)

新作アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」がNHKで放映中である。

12話までは少し前に民放で放映していたのを観ていたので初見の13話からNHK放映を観始めた。

新アニメを民放放送で観た時の私の感想は、うーん、悪くはないけど、徳間書店が製作したアニメ(OVA)版のイメージが強すぎて、新作にどうも気持ちが乗らないなぁ…だった。

リメイクした作品を観る場合に前作が好きだった度合いが強ければ強いほどリメイク版をすぐに受け入れがたいことは間々あると思う。(私の場合「宇宙戦艦ヤマト」の時もそうだったし…・苦笑)

 

ブログを年単位でサボっていたせいもあって書いていなかったのだが、実は私、徳間OVA版「銀英」の本編110話を結構前に視聴済みである。

今回感想を書くのはこの旧の方の「銀英」についてである。

 

例のごとくツタヤディスカスでレンタルして観たのだが、私ったら、よくあんな長いの観たな~!と振り返ってみて思う。

あの時、延々とレンタルしたDVDに向き合う日々が続いた。

遂に110話目を観終わった時の感無量さ、私はこれを観きったのだ!!という大きな達成感を感じた。

ただ観ただけなのでほんとは達成感もへったくれもないのだが(笑)。

ぼーっと観ただけの私にさえそんな達成感を感じさせた超大作(質、量ともに!)であった。

本当にスゴイのは作り手側!あんな長いのをよくぞ最後まで上質なアニメとして製作しきったものだと感嘆する!

 

勿論小説「銀英」は発表当時から大変人気作品だった。

それだからアニメ化もできたのだろうと思うが、採算など、どうだったのだろう?普通に考えても相当製作費かかってるよね…。 

あの頃は角川もメディアミックスで一世を風靡していた。

徳間も華々しかった。

本も売るし、映像も売る、相乗効果でいけいけドンドンというのが流行だったのだろうけど…、それにしても相当な力業の気もする。

まあ、そのおかげでこのような名作が後世に残ったことは本当に喜ばしく、素晴らしい。

小説が売れていることは知っていたがアニメ作品は全く知らず状態で、後年やっと目にしただけの私なんぞが偉そうなことを言うのはおこがましいのだが…。

それでもこのOVAアニメについて今、強く思うのは、「よくぞ最後まで作ってくれたよね、正に後世に残すべき宝!徳間の偉業!ありがとう!!」ということである。

 

勿論随分前の作品なので(1990年代の作品)作画的には古い感じもする。

私の場合は道原先生の漫画から入ったのでアニメのキャラクターのビジュアルに馴染むのに何話かかかった。

でもちょっと我慢して観続けてみてほしい、きっとどんどん面白く、楽しくなってくるはずだ。

そして作画も全然気にならなくなって、むしろキャラクターデザインもうんと好きになって、結果「銀英」世界にドカーンとハマるはず。(万人がそうだとまでは言わないが、私はそうでした!・笑)

 

原作小説がそうなので登場人物が多いのは仕方がないのだが、アニメにとっては大人数のキャラを描き分けるのは非常にハードルの高いことだと思う。

しかし本作品はそれををほぼクリアしているのが素晴らしい。(ルッツとワーレンが似ているという噂もありますが…これは例外かな…・笑)

そしてこの多数の人物一人につき声優さん一人を当てている(こちらも少し例外もあるらしいが…)。

なんという贅沢な仕様でありましょう!当時の声優さん総動員状態、ほんと驚愕である。

巷ではその豪華キャスティングさをもってこの作品を「銀河声優伝説」とも呼ぶらしい、私も同感、納得である。

あの声優さん、この声優さん、お声を楽しむだけでも十分満足できるだろう。

 

観始めた当初、私は帝国側が見た目や設定が華やかなので好きだったのだが、見続けるうちに同盟の方にグーンと気持ちが寄っていった。

その大きな要因は富山敬さん演じるヤンの存在感の大きさだったと思う。

富山さんは私の中ではヤマトの古代君で印象強かったのだが、「銀英」を観た後はもうヤン・ウェンリーの印象で上書きされてしまった。

富山さんなくしてヤン・ウェンリーなし!状態の当たり役だと思う。

 

ちなみに本編分は観終わったのだが、外伝の方は観かけて途中で挫折したままだ(観終わって何年か経つのに今も)。

本編の方の充足感が半端なかったのと、外伝を観ている途中でヤンの声優さんが違う方になっていたからである。

 

富山さんは途中でご病気で亡くなられたんですよね…。

本編の方は亡くなられた後に作中ヤンの登場場面があった際に工夫して代役立てずの形で乗りきったらしい。(劇中のヤンも既に死亡していて回想としての登場というのも感慨深いです…)

外伝の方はそうはいかなかったので、郷田ほづみさんが演じられていた。

郷田さんも勿論素晴らしいヤンである。

 

しかし本編から間を置かず外伝を視聴しようとした為か、私は富山さん演じるヤンの喪失感から抜け出せなかった。

富山ヤンの喪失感に翻弄されて、気持ちの整理がどうにもできなかった。

平静に考えれば現実では富山さんはとうの昔にお亡くなりになっているのだし、私だってそれは十分知っていた事実である。

それなのにこの「銀英」OVAを観てこういう動揺に襲われるとは…、ヤンを演じていたこの富山さんはそれほど「凄かった」ということです!

 

 「銀英」って物凄くざっくり言うと、ラインハルトという不世出の英雄の天下取りの話なのだと思う(ざっくりすぎるか?!・笑)。

銀河帝国ゴールデンバウム朝からの歴史的流れを縦軸、ラインハルトの同時代に存在する自由惑星同盟、フェザーン、地球教などの他の諸勢力との関わり(主として敵対的な)を横軸にラインハルトによる新たな銀河宇宙の統一達成へ向かって物語は綴られていく。

 

敵対する勢力間の衝突が繰り返される。

同時に勢力それぞれの中での権力争いも起こる。

片方に勝者がいればもう片方には必ず敗者がいる。

物語では数多くの勝敗が描かれていく。

視聴者は勝者の栄光に心躍ることもあれば、敗者の姿に感慨深く思いを馳せることもあるだろう。

私自身は往々にして敗者の姿の方が印象深く、反面教師として学ぶ点が多いかも…と思いながら観ていた。

 

毎度次回予告のナレーションでの締め括りのフレーズ「銀河の歴史がまた1ページ」が「銀英」が何たるかを言い得ていると思う。 

そう、「銀英」って歴史ものですよ。(大河ドラマっぽいかもしれない)

歴史ものって総じて重厚で安定した面白さがあるというのが、私の中の評価である。

 

 ただ大長編歴史ものなので、長い分、時に退屈な部分もあったりもする。

私は本編で2回ほど本当に歴史の授業みたいな放送回があった際は上の空で観た(苦笑)。

そして地球教がらみの話の回も観る熱量が下がったりもした。

(一緒に観ていた我が家の子供は地球教がらみのところが面白かったと言っていたので、人の好みも大いにあると思います・笑)

 でも、きっともう一度見直す際はそこも面白くなっているかもしれない…(ほんとか?笑)

 

アマゾンプライムで今この徳間OVA版を観ることができるようになっている。

再視聴しようかな…と思いながら、観始めると面白いので又ずっと見続けてしまいそうで、なかなか決心がつかない。(だって観たことのない他の作品だっていろいろ観たいし…、私の時間は有限ですし…苦笑)

 

冒頭近くで、NHKで新作の「銀英」アニメを視聴中と書いたが、もう来週で2期は終わり。(この文章書き始めてから書き終わるまで時間かかりすぎ…苦笑)

観続けているうちに、実は新作にもすっかり馴染んで楽しんでいる(前述と相反する状況に至りすみません!笑)。

2期以降も製作続けてほしいものである!と思っている。

でもここからが結構長いからなぁ…今の時代、最後まで製作し続けられるだろうか…?

私はNHKの資金をもってすればもしかすると可能なのでは?と言い、アニメ同士である子供はいやいや、それは難しいのではとの意見である。

旧作だけでも十二分なので、まあ、無くてもいいけど…(あってもいいよ!)。

 

     ブログTOPへ   前ページへ   次ページへ